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『うまい話には裏がある』!巧妙化する最新投資詐欺の見分け方と対策

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みんみん
目次
A. 投資詐欺の現状と巧妙化の背景 B. 読者へのメッセージ:なぜ今、この知識が必要なのか II. 知っておくべき最新投資詐欺の巧妙な手口 A. SNS型投資詐欺:現代の主流にして最も危険な罠 B. 劇場型詐欺:複数の役者が演じる巧妙なシナリオ C. 被害回復型詐欺:二次被害を狙う悪質性 III. 投資詐欺を見抜く6つのチェックポイント A. 投資元の運営実態は透明か B. 金融庁など公的機関に登録されているか C. 異常に高すぎる利回りではないか D. 契約書や規約が明確に提示されるか E. 勧誘が強引・執拗でないか F. 振込先の口座に不審な点がないか IV. 万が一に備える!投資詐欺の対策と相談先 A. 被害に遭わないための予防策 B. 万が一被害に遭ってしまった場合の対処法 V. まとめ:賢く学び、あなたの資産を守るために A. 「うまい話」には常に警戒心を B. 知識と適切な行動で詐欺から身を守る重要性

「うまい話には裏がある」――この古くからの格言は、現代社会においてもその真実性を強く示しています。特に投資の世界では、年々巧妙化する詐欺の手口が後を絶たず、多くの人々が大切な資産を失う事態に直面しています。テクノロジーの進化は、詐欺師たちに新たな舞台を提供し、その被害は拡大の一途をたどっています。

A. 投資詐欺の現状と巧妙化の背景

投資詐欺の手口は、日々進化を遂げています。特に近年では、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を悪用した新たな手法や、高齢者をターゲットにした悪質な手口が顕著に増加しています 。詐欺師たちは、「必ず儲かる」「元本保証」といった甘い言葉を巧みに使い、人々の金銭的な不安や資産を増やしたいという願望に付け込みます。これにより、多くの人々が騙され、貴重な資産を失うという悲劇が繰り返されています 。  

警察庁の発表するデータは、この深刻な状況を浮き彫りにしています。SNS型投資詐欺は2023年から急増し、同年1月から12月までの全国での認知件数は2,271件に上り、被害総額は驚くべきことに277.9億円に達しました 。さらに、2024年に入っても被害は拡大傾向にあり、東京都内だけでも4月末時点で約48億円もの被害が発生しており、これは前年の被害額を上回るペースで推移しています 。投資詐欺の大きな特徴は、被害金額が高額になる傾向があること、そして一度失われた資産の回復が極めて困難であることです 。この社会的影響は決して看過できるものではありません 。  

B. 読者へのメッセージ:なぜ今、この知識が必要なのか

投資に関心を持ち、自身の資産形成を真剣に考えている人々は、皮肉にも詐欺師たちの主要なターゲットとなります 。特に、退職後の生活設計や老後の安定を求める50代から60代の層は、確実な利益や元本保証といった言葉に強く惹かれやすい傾向があります 。詐欺師たちは、こうした人々の「資産を増やしたい」という根源的な欲求や、将来への不安、あるいは損失を避けたいという心理的な脆弱性(損失回避バイアス)に巧みに付け込んでいるのです。彼らは、一度信頼を構築すると、その心理的な依存関係を利用して、より大きな金額を引き出そうとします。  

現代の詐欺手口は、単なる技術的な巧妙さだけでなく、このような人間心理の深層を突く点で非常に悪質です 。一般的な注意喚起だけでは、もはやこれらの巧妙な手口から身を守ることは困難になっています 。本記事は、読者の皆様が最新の詐欺手口を深く理解し、それを見抜くための具体的なチェックポイント、そして万が一被害に遭ってしまった場合に頼れる相談先を知ることで、ご自身と大切な資産を守るための確かな力を身につけていただくことを目指しています。  

II. 知っておくべき最新投資詐欺の巧妙な手口

投資詐欺の手口は、インターネットとSNSの普及に伴い、その形態を大きく変化させています。ここでは、特に被害が急増している最新の詐欺手口を具体的に掘り下げ、その巧妙な「パターン」を解説します。

A. SNS型投資詐欺:現代の主流にして最も危険な罠

SNS型投資詐欺は、テクノロジーの進化と人間心理の機微を巧みに利用し、その被害を急速に拡大させています 。その手口は多岐にわたり、従来の詐欺とは一線を画す巧妙さで、一般的な注意喚起だけでは防ぎきれないレベルに達しています 。  

1. 特徴と急増の背景

警察庁の報告によれば、SNS型投資詐欺は2023年から急増し、同年1月から12月にかけて全国で2,271件の認知件数、総額277.9億円という巨額の被害が発生しました 。特に2023年下半期以降の増加が顕著であり、2024年もその被害は拡大傾向にあります。例えば、東京都内だけでも2024年4月末時点で約48億円の被害が発生し、これはすでに前年の被害額を上回るペースです 。さらに、令和7年3月中のSNS型投資詐欺の被害額は55.3億円と、前月比で23.7億円も増加しており、それまでの減少傾向から一転して大幅な増加を見せています 。  

被害者の年齢層を見ると、男性は50代から60代、女性は40代から50代が多く、1件あたりの平均被害額は1,000万円を超える高額になる傾向があります 。これは、資産形成の最終段階にある層や、退職後の生活設計を具体的に考える時期にある層が、確実な利益や元本保証といった言葉に強く惹かれ、詐欺師のターゲットになりやすいことを示唆しています。  

2. 具体的な手口の深掘り

SNS型投資詐欺は、複数の巧妙な手法を組み合わせて被害者を欺きます。

a. 著名人なりすまし型

この手口では、詐欺師が著名な投資家や経済評論家、あるいはその関係者を装います。被害者は、SNS上の広告やネットニュースを閲覧している際に、偽の著名人アカウントが表示されることで興味を引きつけられます 。そこからSNSアカウントの登録や、投資コミュニティへの参加を促されるのが典型的な流れです 。詐欺師は、「投資のテクニックを教える」「無料で投資教室を開催する」「必ず儲かる」といった甘い言葉で被害者の警戒心を解き、信頼関係を築こうとします 。例えば、著名な投資家のSNSアカウントを登録し、投資コミュニティに参加した被害者が、そこで紹介された偽の投資アプリをインストールさせられ、アプリ上の架空の利益表示を信じて多額の送金を繰り返した結果、1億4,000万円もの被害に遭った事例が報告されています 。  

b. ダイレクトメッセージ (DM) による個別アプローチ

SNS投資詐欺の中でも特に巧妙な手法の一つが、ダイレクトメッセージ(DM)による個別アプローチです。まず、被害者は知らない相手から突然フォローされ、DMで話しかけられます。最初は投資の話を一切持ち出さず、雑談などの一般的な会話を通じて警戒心を緩めさせます 。時間をかけて信頼関係を築いた後、徐々に投資の話題へと誘導していくのが特徴です 。令和7年3月中の投資詐欺の認知件数473件のうち、初期接触手段が「ダイレクトメッセージ」であったものは250件と、前月比で78件も増加しており、この手口が主流化していることが伺えます 。DMの内容としては、「暗号資産への投資名目」が最も多く報告されています 。  

c. グループチャットと「打ち子」(サクラ)の利用

被害者は、SNS上の「投資グループ」と称するチャットに招待されます 。このグループチャット内では、「打ち子」と呼ばれる詐欺師の仲間(サクラ)が、「〇〇万円儲かった」「この先生の言う通りにすれば必ず儲かる」といった成功体験や偽の取引履歴を投稿し、他の参加者の投資意欲を煽り立てます 。多くの「成功者」がいるように見せかけることで、社会的証明の心理を悪用し、被害者に「自分も儲かるはずだ」という錯覚を抱かせます 。この手口は非常に巧妙であり、国際的な組織犯罪が関与しているケースも明らかになっています。一部のメンバーは外国人であり、翻訳ツールを使用してコミュニケーションを取っていた事例も報告されており、グローバルな対策が求められる状況です 。  

d. 暗号資産・偽アプリの悪用

詐欺師は、実在しない架空の「暗号資産」への投資を勧めたり、偽物の「投資アプリ」をインストールさせたりするケースが相次いでいます 。これらの偽アプリは、あたかも多額の利益が出ているかのようにチャートや残高を偽装表示し、被害者を信用させます 。手口としては、まず少額の投資から始めさせ、アプリ上で利益が出ているように見せかけたり、あるいは実際に少額の出金に応じたりすることで、被害者との信頼関係を構築します 。これにより、被害者は「本当に儲かる」と確信し、その後、詐欺師の指示に従って多額の送金を繰り返してしまいます。しかし、いざ出金しようとすると、「保証金」や「税金」「手数料」などの名目で追加の支払いを要求され、最終的には詐欺師と連絡が取れなくなるというパターンが典型的です 。  

これらの手口は、デジタル化が進んだ現代社会において、オンラインでの人間関係構築が容易になった「信頼の経済」の負の側面を浮き彫りにしています。詐欺師は、著名人への憧れ、友人や知人との距離感に近いDMでのやり取り、多数の「成功者」がいるコミュニティという「社会的証明」など、人々が信頼を形成する際の心理的トリガーを悪用します。さらに、偽アプリによる「利益の幻想」と、出金時の追加要求による「損失回避」の心理を巧みに利用し、被害者が冷静な判断を失い、さらに深みにはまるメカニズムを作り出しているのです。これは、単なる技術的な詐欺ではなく、人間の認知の弱点を突く高度な心理戦と言えるでしょう。

B. 劇場型詐欺:複数の役者が演じる巧妙なシナリオ

「劇場型」と呼ばれる詐欺手法は、複数の悪徳業者が登場し、それぞれが異なる役割を演じることで被害者を騙す手口です 。この詐欺の大きな特徴は、被害者当人からは、複数の人物が連携していることが分からない点にあります 。巧妙な演技により、あたかも正当な取引であるかのようなリアルさが追求され、詐欺銘柄の購入に対する心理的なハードルが低くなりやすいため、被害に遭いやすくなります 。  

典型的な流れとしては、まずある業者が未公開株や社債の購入を勧誘します。被害者がその勧誘を断ると、今度は別の業者から、その未公開株や社債を「高く買い取る」という連絡が来る、といった連携プレーで被害者を信用させます 。例えば、「老人ホームの入居権」を譲渡する話を持ちかけ、複数の人物が関与して高額な支払いを要求するケースも報告されており、その手口は多岐にわたります 。詐欺師たちは、被害者を心理的に追い込み、冷静な判断力を奪うことを狙っています 。  

C. 被害回復型詐欺:二次被害を狙う悪質性

投資詐欺の被害に遭ってしまった人を、さらに狙うという悪質な二次被害の手口が「被害回復型詐欺」です 。この手口では、詐欺師が被害者のリストを入手し、以前の詐欺被害を「回復してあげる」と持ちかけます 。  

しかし、その実態は、被害回復を名目に別の商品(未公開株や社債など)の購入を要求したり、あるいは現金の送付を求めたりするものです 。中には、金融庁やその他公的機関の職員を名乗り、被害調査を装って金銭を要求するケースも報告されていますが、金融庁などの公的機関の職員が金融商品の取引の勧誘や被害の調査を行うことは決してありません 。既に被害に遭い、藁にもすがる思いでいる被害者の切実な心理につけ込む、極めて悪質な手口と言えます。  

III. 投資詐欺を見抜く6つのチェックポイント

巧妙化する投資詐欺から資産を守るためには、甘い言葉に惑わされず、冷静に投資話の真偽を見極める判断力が不可欠です。ここでは、具体的な投資話に直面した際に、それが詐欺であるかどうかを見分けるための実践的な6つのチェックポイントを解説します。

A. 投資元の運営実態は透明か

まず、投資を勧誘している事業者の運営実態が明確に開示されているかを確認することが重要です 。具体的には、会社の所在地、連絡先(電話番号、メールアドレス)、事業内容がウェブサイトや提供資料にきちんと記載されているかを調べます 。もし、ウェブサイトや資料に会社情報がほとんどなく、問い合わせ先がLINEやSNSのメッセージ機能のみといったケースは、信頼できる運営元とは言えません 。また、名前も聞いたことのないような業者が突然勧誘してきた場合は、特に注意が必要です 。実態が不透明な業者は、問題が発生した際に連絡が取れなくなる可能性が高く、被害回復が極めて困難になります 。  

B. 金融庁など公的機関に登録されているか

日本で投資商品を一般向けに提供する事業者は、金融商品取引法に基づき、金融庁への登録が義務付けられています 。これは、投資家を保護し、金融市場の健全性を保つための重要な規制です。勧誘してきた事業者が金融商品取引業者として正式に登録されているか、必ず金融庁のウェブサイトにある「免許・許可・登録等を受けている業者一覧」で確認しましょう 。登録番号や法人名を検索するだけで、合法かどうかを判断できます 。もし登録がない業者は、違法な営業を行っている可能性が極めて高く、そのような業者に資金を預けることは非常に危険です 。さらに、金融庁は「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等」も公開していますので、詐欺の疑いがある場合は、そのリストに名前が挙がっていないかも確認することが賢明です 。詐欺師たちは、公的機関の存在や名称を逆手に取り、あたかも合法的な業者であるかのように偽装する高度な手口を用います。例えば、「金融庁の者だが…」と名乗ったり、金融商品取引業者と紛らわしい商号を使用したりするケースが報告されています 。これは、一般消費者が自主的に登録を確認しようとする行動すら欺こうとするものです。そのため、単に相手の言葉を信じるのではなく、金融庁のウェブサイトなどで「自ら」検索し、表示された情報が「本物」であることを確認する徹底した独立検証の姿勢が求められます。  

C. 異常に高すぎる利回りではないか

「月利10%」「年利20%保証」「絶対に損しない」「元本保証」など、明らかに現実離れした高利回りや、リスクがないことを強調する文言には細心の注意を払ってください 。合法的な金融商品では、利益だけでなく、必ずリスクについて丁寧に説明されるのが基本です 。投資である以上、元本割れのリスクは常に存在し、「絶対儲かる」投資は存在しません 。過剰に利益を強調し、リスク説明を避ける業者は、詐欺の可能性が極めて高いと判断すべきです 。詐欺師は、偽の投資アプリで架空の利益を表示したり、少額の投資で一時的に利益を出すように見せかけたりすることで、「利益の幻想」を抱かせ、被害者の判断力を鈍らせます 。  

D. 契約書や規約が明確に提示されるか

正式な投資案件であれば、契約書や規約、手数料、解約方法などが明確に書面で提示され、その内容を十分に確認する時間が与えられます 。これは、投資家が取引内容を理解し、納得した上で契約を結ぶための基本的なプロセスです。もし、文書が提示されない、内容があいまいである、あるいは内容を確認する時間を十分に与えずに「すぐに申し込まないと損をする」などと急かされる、すぐにサインを求められるといった場合は、詐欺の可能性が高いです 。こうした状況では、冷静な判断を妨げ、不利な条件での契約を強いる意図があると考えられます。  

E. 勧誘が強引・執拗でないか

「すぐに申し込まないと損をする」「今だけ!」「あなただけ特別!」といった言葉で急かしたり、何度も電話やメッセージで連絡してきたりする業者は、特に警戒すべきです 。このような強引で執拗な勧誘は、被害者の冷静な判断を妨げ、焦りから誤った決断をさせようとする詐欺の典型的な兆候です 。特にLINEやアプリでの頻繁かつ執拗なやり取りは、詐欺の危険性が高いサインと認識してください 。  

F. 振込先の口座に不審な点がないか

投資話が本物であれば、通常、振込先として個人名義の口座を指定されることはありません。また、振込のたびに口座情報が頻繁に変わることもありません 。正規の金融取引では、通常、法人名義の口座が使用され、振込先が頻繁に変更されることは極めて稀です。もし、振込先が個人名義の口座である、あるいは送金するたびに口座が変わる場合は、詐欺を強く疑うべきです 。さらに、郵便や宅配便などで現金を送付するよう指示されるのも、詐欺の典型的な手口の一つです 。これは、資金の追跡を困難にするための手法であるため、このような指示があった場合は絶対に送金しないでください。  

IV. 万が一に備える!投資詐欺の対策と相談先

投資詐欺の被害に遭わないための最も確実な方法は、予防策を講じることです。しかし、万が一被害に遭ってしまった場合でも、適切な対処法と相談先を知っていれば、被害回復の可能性を高めることができます。

A. 被害に遭わないための予防策

1. 金融リテラシーの向上を継続する

投資詐欺から身を守るための最大の防御策は、金融リテラシーを継続的に向上させることです 。金融リテラシーとは、投資に関する知識だけでなく、適切な判断力を養うことを意味します 。具体的には、金融庁や証券取引等監視委員会のウェブサイトで公開されている投資家向け教育資料を活用したり、信頼できる金融機関や証券会社が開催するセミナーに参加したり、投資の入門書を読んだり、経済ニュースを定期的にチェックして最新の金融トレンドを把握することが挙げられます 。金融庁の金融経済教育委員会は、最低限身につけるべき金融リテラシーとして、「家計管理」「生活設計」「金融と経済の基礎知識と金融商品を選ぶスキル」「外部の知見の適切な活用」の4つを挙げています 。これらの知識を継続的に習得し、過信せず、常に学び続ける姿勢が、詐欺師の巧妙な手口を見破る力を養います 。  

2. 「甘い言葉」に絶対惑わされない

「必ず儲かる」「元本保証」「確実に利益が出る」といった言葉は、典型的な投資詐欺のサインであり、これらに絶対惑わされてはなりません 。投資には必ずリスクが伴い、100%の確実性を保証することは不可能です 。このような言葉を使う業者は、真偽を問わず悪徳業者であると断定し、一切関わらないようにしましょう 。甘い言葉は、被害者に「利益の幻想」を抱かせ、冷静な判断を妨げるための心理的な罠です 。  

3. SNSでの情報取り扱いに細心の注意を払う

SNSを通じた投資勧誘は急速に増加しており、特に著名人なりすまし広告や、見ず知らずの投資専用コミュニティには厳重な警戒が必要です 。著名人が無料で投資教室を開催したり、確実に利益が出る投資話を無料で教えたりすることは基本的にありません 。お金を振り込む前に、なりすましではないかまず疑い、本人の公式アカウントからの発信情報などを確認するようにしましょう 。不審な勧誘には毅然とした態度で対応し、「今だけ!」「あなただけ特別!」といった焦らせる言葉に騙されないようにすることが重要です 。  

4. 未公開株・私募債の勧誘は詐欺と心得る

「未公開株」や「私募債」といった形で一般の投資家が広く勧誘されることは、通常ありません 。これらの金融商品は客観的な価値の把握が難しく、その曖昧さを悪用した投資詐欺が横行しています 。もしこのような勧誘があった場合は、詐欺であると心得るべきです 。  

5. 振込先口座の確認を徹底する

投資話が本物であれば、振込先として個人名義の口座を指定されることや、振込のたびに口座が変更されることはまずありません 。これらに当てはまる場合は詐欺を強く疑い、迷わず警察に相談してください 。また、郵便や宅配便等で現金を送付するよう指示されるのも詐欺の典型的な手口です 。  

6. 焦らず、一人で判断しない

「すぐに申し込まないと損」と急かされても、冷静に立ち止まり、即座に判断しないことが極めて重要です 。少しでも不安を感じたら、家族や信頼できる友人、知人に相談しましょう 。一人で抱え込まず、客観的な意見を聞くことで、詐欺被害を未然に防ぐことができます。  

B. 万が一被害に遭ってしまった場合の対処法

万が一、投資詐欺の被害に遭ってしまった場合でも、諦めずに迅速な行動をとることが被害回復の可能性を高めます。投資詐欺の被害回復は困難な場合が多いですが、適切な対処と相談が重要です 。  

1. 証拠の保全と連絡遮断

被害に気づいたら、最初に行うべきは証拠の保全と詐欺業者との連絡遮断です 。詐欺師とのすべての通信記録(メール、SNSのメッセージ、通話履歴)をスクリーンショットや写真などで保存し、振込明細書や契約書など、関連する書類をすべて保管してください 。これらの証拠は、後の相談や法的手続きにおいて不可欠となります。同時に、詐欺業者からの電話やメッセージはすべてブロックし、これ以上の被害拡大を防ぎましょう 。  

2. 迅速な相談と情報提供

被害に遭ったお金を取り戻したい場合は、法律事務所で弁護士に相談するのが最も推奨される手段です 。弁護士は詐欺事件であることを立証し、損害賠償請求や詐欺グループとの交渉を代行してくれます 。多くの法律事務所では初回無料相談を実施しているため、まずは相談してみることを検討しましょう 。  

公的機関や専門家のアプローチは、被害発生後の「事後対応」だけでなく、被害を未然に防ぐ「予防的アプローチ」へとシフトしています。これは、一度発生した被害の回復が極めて困難であることを踏まえた動きです。詐欺対策の最終目標は、単に詐欺手口を暴くことではなく、個々人が詐欺に遭遇した際に「立ち止まる」「確認する」「相談する」という行動変容を促すことにあります。

以下に、主な相談窓口とその活用方法をまとめました。

  • 金融庁 金融サービス利用者相談室: 金融行政や金融サービス全般に関する一般的な質問、相談、意見を受け付けています 。詐欺的な投資勧誘の事前相談や、被害相談も可能です 。電話(ナビダイヤル:0570-016811、IP電話からは03-5251-6811)またはウェブサイトから24時間相談を受け付けています 。相談内容は録音される場合があります 。お金を取り返すための交渉は行いませんが、適切なアドバイスや他機関の紹介をしてくれます 。
  • 警察庁・都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口: 投資詐欺の被害が明確な場合の捜査依頼や犯人逮捕を求める際に有効です 。被害には遭っていないが不安な場合の相談も、警察相談専用電話「#9110」で受け付けています 。明確な証拠がない場合や犯人不明の場合は告訴状が受理されないこともあるため、証拠保全が重要です 。
  • 消費生活センター: 消費者トラブル全般に関する相談を受け付けており、投資詐欺や契約を結ぶ前の不安や疑問に対する相談も可能です 。全国に800か所以上の拠点があり、消費者ホットライン「188」に電話するだけで最寄りのセンターにつながり、手軽に相談できます 。
  • 法律事務所 / 法テラス: 被害に遭ったお金を取り戻したい場合は、弁護士に相談するのが最も推奨されます 。弁護士は詐欺事件であることを立証し、損害賠償請求や詐欺グループとの交渉を代行してくれます 。多くの法律事務所では初回無料相談を実施しています 。収入や資産が一定の基準以下の場合は、法テラス(日本司法支援センター)で法律相談や弁護士費用の立て替えなどの法的支援を受けることも可能です 。
  • 証券取引等監視委員会 情報提供窓口: 詐欺的な投資勧誘に関する情報提供を受け付けています 。電話(直通:0570-00-3581)またはウェブサイトからの情報提供が可能です 。
  • 地域の弁護士会・役所の無料法律相談: 各地域の弁護士会や市区町村の役所でも、無料の法律相談会が定期的に開催されています 。弁護士や司法書士などの法律の専門家が相談に応じてくれますが、事前予約が必要な場合が多く、開催頻度や参加条件は地域により異なります 。

V. まとめ:賢く学び、あなたの資産を守るために

A. 「うまい話」には常に警戒心を

投資の世界において、「必ず儲かる」「元本保証」といった「うまい話」は存在しません。これは投資の基本的な原則であり、常に心に留めておくべきことです 。詐欺の手口は年々巧妙化し、SNSの普及によりそのスピードと範囲は拡大しています 。詐欺師たちは、人々の「資産を増やしたい」という健全な欲求や、将来への漠然とした不安に付け込み、心理的な盲点を突いてきます 。そのため、常に最新の詐欺情報をキャッチアップし、どのような甘い言葉にも安易に飛びつかない警戒心を怠らないことが極めて重要です。  

B. 知識と適切な行動で詐欺から身を守る重要性

自身の資産を守るための最も強力な武器は、金融リテラシーを高め、正しい知識を身につけることです 。しかし、知識があるだけでは不十分です。現代は情報が溢れる「情報過多の時代」であり、その中から信頼できる情報源を見極め、必要な情報を効率的に抽出し、自身の状況に適用する能力が求められます。  

不審な点があれば、決して一人で抱え込まず、すぐに信頼できる家族や友人、そして公的機関に相談するという「能動的な行動」が、詐欺被害を未然に防ぐ上で決定的な役割を果たします 。金融庁の「事前相談」窓口や警察の相談ダイヤルなど、被害に遭う前に利用できるリソースも増えています 。これは、被害発生後の対処が困難であるため、社会全体が「予防的アプローチ」へとシフトしている表れでもあります。  

万が一被害に遭ってしまった場合でも、諦めてはいけません。迅速に証拠を保全し、適切な窓口に相談することで、被害回復の可能性を追求することができます 。詐欺師と対策側の間には、常に「いたちごっこ」のような攻防が続いています。この連続する攻防において、私たちが自身の資産を守るためには、受動的な情報受容者ではなく、常に学び、疑問を持ち、行動する「主体的な行動者」となることが求められます。賢く学び、適切な行動をとることで、あなたの資産は守られるでしょう。  

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「あの時やめておけば…」投資初心者の後悔と学ぶべき教訓
みんみん
お金に関する情報をhikidashiで発信しています。2000万円問題、不動産投資、FXなど、初心者の方にも分かりやすく解説。将来のお金の不安を解消し、賢く資産を形成するための情報を提供できれば幸いです。お気軽にコメントや質問をお寄せください。
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