user uploaded photo

EVは本当に買い?デメリットから考える賢い選択

0
削除
走り屋ゴンザレス
目次
なぜEVは注目される?まずはメリットをおさらい 環境性能と経済性(ランニングコスト) 異次元の走行性能と先進性 【本題】EV購入を阻む5つのリアルなデメリット デメリット1:補助金を使っても依然として高い初期費用 デメリット2:絶望的な充電インフラ問題 デメリット3:冬に弱い?航続距離とバッテリーの不安 デメリット4:売却時に大損?低いリセールバリュー 結局いくらかかる?EV購入のお金の話【2026年最新】 国や東京都の補助金はいくらもらえる? 5年乗るとどっちがお得?ガソリン車と徹底比較 結論:2026年、あなたにEVは「買い」か? EV購入がおすすめな人の特徴 EV購入は「待った」方が良い人の特徴 まとめ

「2035年までにガソリン車の新車販売が禁止される」という話が現実味を帯びる中、電気自動車(EV)への乗り換えを検討している方も多いのではないでしょうか。しかし、本当に今が「買い時」なのでしょうか?

この記事では、多くの方が抱えるEVへの疑問や不安に答えるため、結論からお伝えします。EVは「自宅に充電設備を設置できる戸建て住まい」で「近距離の利用がメイン」の方にとっては、非常に魅力的な選択肢です。一方で、「マンション住まいで自宅充電が難しい」方や「長距離移動が多い」方にとっては、まだ多くのデメリットが存在します。

本記事では、2026年を目前にしたEVのリアルな実情を、ガソリン車と比較しながら徹底的に解説します。特に購入後に後悔しないために知っておくべき「EVのデメリット」に焦点を当て、補助金や充電インフラの現状も踏まえ、「あなたにとってEVは本当に買いか?」という問いに明確な答えを提示します。

なぜEVは注目される?まずはメリットをおさらい

EVの購入を検討する前に、なぜ国が普及を推進し、多くの人々を惹きつけるのか、その基本的なメリットを理解しておきましょう。

環境性能と経済性(ランニングコスト)

EV最大の魅力は、走行中に二酸化炭素($CO_2$)を一切排出しない環境性能の高さです。これにより、地球温暖化対策に貢献できます。

また、日々の維持費もガソリン車より安く抑えられる傾向にあります。自宅の夜間電力で充電すれば、ガソリン代よりも燃料費を大幅に削減できます。年間1万km走行した場合、ガソリン車の燃料代が約11万円かかるのに対し、EVの電気代は3万円から5万円程度に収まることも珍しくありません。

さらに、エンジンがないためエンジンオイルなどの定期的な交換が不要で、メンテナンス費用も安価です。国や自治体からの補助金に加え、「エコカー減税」や「グリーン化特例」といった税制優遇も受けられます。

異次元の走行性能と先進性

EVの運転体験は、ガソリン車とは全く異なります。モーター駆動による驚異的な静粛性と、アクセルを踏んだ瞬間に最大トルクを発揮する力強く滑らかな加速は、一度味わうと虜になる人も少なくありません。

加えて、ソフトウェアのアップデートで車の機能が向上したり、災害時には大容量バッテリーを家庭用非常電源として活用(V2H)できたりと、「走るスマートデバイス」としての先進性も大きな魅力です。

【本題】EV購入を阻む5つのリアルなデメリット

輝かしいメリットの裏には、購入者が直面する深刻な課題、つまり「EVのデメリット」が存在します。これらを理解せずに購入すると、後悔につながる可能性があります。

デメリット1:補助金を使っても依然として高い初期費用

EV購入における最大の壁は、高額な車両本体価格です。同クラスのガソリン車と比較すると、軽自動車で約100万円、普通車では200万円ほどの価格差があることもあります。

国や自治体から手厚い補助金が交付されますが、例えば国の補助金(普通車で最大90万円)を利用しても、ガソリン車との数十万円から百万円単位の価格差を完全に埋めるのは難しいのが現状です。この初期投資の大きさは、多くの購入検討者にとって重い負担となっています。

デメリット2:絶望的な充電インフラ問題

EVの利便性は充電環境に大きく左右されますが、日本の「EV 充電インフラ」は多くのユーザーにとって理想的とは言えません。

自宅充電ができない「マンション問題」

EVをストレスなく運用するための絶対条件は「自宅で充電できること」です。しかし、これが実現できるのは一部の恵まれたユーザーに限られます。特にマンションなどの集合住宅では、充電器の設置に管理組合の合意形成が必要となり、費用負担や電気容量の問題も相まって、設置のハードルは極めて高いのが実情です。

数はあっても質が低い公共充電器

全国に公共の充電スポットは約3万口以上ありますが、政府が目標とする30万口には遠く及びません。さらに深刻なのは「質」の問題です。「充電器が故障したまま放置されている」「先客がいて長時間待たされる(充電渋滞)」「決済方法が煩雑」といったストレスに直面するケースが後を絶ちません。公共充電器は採算が取りにくく、メンテナンス不足に陥りやすいという構造的な問題を抱えているのです。

デメリット3:冬に弱い?航続距離とバッテリーの不安

カタログスペックの航続距離を鵜呑みにできないのも、EVが抱える大きなデメリットです。

冬場の航続距離が激減する

EVは冬の寒さが大の苦手です。低温によるバッテリー性能の低下に加え、ガソリン車のようにエンジンの排熱を利用できないため、暖房で大量の電力を消費します。これにより、冬場の航続距離は20%から、ひどい場合には40%以上も悪化することが報告されています。カタログ値で400km走行可能なEVが、実際には240km程度しか走れなくなる可能性もあるのです。

避けられないバッテリーの経年劣化と高額な交換費用

スマートフォンのバッテリーと同様に、EVのバッテリーも年々劣化し、航続距離は短くなっていきます。問題は交換費用です。車種にもよりますが、バッテリー交換には数十万円から、場合によっては100万円、さらには300万円を超える費用がかかることもあります。これは中古車を一台購入するのに匹敵する金額であり、EVを長く乗り続けたいユーザーにとって最大級のリスクと言えるでしょう。

デメリット4:売却時に大損?低いリセールバリュー

多くの人が見落としがちなのが、売却時の価値、すなわちリセールバリューの低さです。ランニングコストで得をした分を、売却時の損失で全て失ってしまう可能性すらあります。

最大の要因は、中古車購入者が抱く「バッテリー劣化への懸念」です。バッテリーの状態が不透明であることが買い控えを招き、リセールバリューを押し下げています。一般的なガソリン車やハイブリッド車が5年後でも40%〜50%の残価率を維持するのに対し、多くのEVはそれを大きく下回ります。例えば、日産リーフの5年後の残価率は30%台にまで下落する事例も報告されています。

結局いくらかかる?EV購入のお金の話【2026年最新】

EVのデメリットを理解した上で、次はお金の具体的な話をしましょう。「電気自動車 補助金」はいくらもらえて、トータルコストはガソリン車と比べてどうなのでしょうか。

国や東京都の補助金はいくらもらえる?

2025年度から2026年度にかけて、国からは「CEV補助金」として、普通車で最大90万円、軽EVで最大58万円の補助が受けられます。ただし、この補助金は予算の上限に達し次第終了する可能性があり、購入後3〜4年の保有義務期間がある点に注意が必要です。

さらに、自治体独自の補助金も併用できます。特に手厚いのが東京都で、「ZEV補助金」として個人がEVを購入する場合、最大60万円が補助されます。太陽光発電システムなどを導入している場合は補助額が上乗せされ、合計で最大100万円の補助を受けることも可能です。

5年乗るとどっちがお得?ガソリン車と徹底比較

では、補助金や維持費をすべて考慮した場合、5年間のトータルコストはどちらが安いのでしょうか。軽自動車の「日産 サクラ(EV)」と「日産 デイズ(ガソリン車)」でシミュレーションしてみましょう。

国の補助金(55万円)を適用し、自宅充電器の設置費用(10万円)を加えたサクラの初期費用は、デイズより約71万円高くなります。5年間の維持費(燃料費、税金、メンテナンス費)では、サクラの方がデイズより約19万円安くなりますが、この差額を差し引いても、5年間のトータルコストでは依然としてガソリン車であるデイズの方が約52万円安いという結果になります。

このシミュレーションは、EVの経済性を判断する上で、ランニングコストの安さだけでは初期費用の高さをカバーしきれない場合があることを示しています。ただし、東京都のように手厚い自治体補助金を併用できれば、この差が逆転する可能性は十分にあります。

結論:2026年、あなたにEVは「買い」か?

結局のところ、「EVは買いか?」という問いの答えは、あなたのライフスタイルによって決まります。

EV購入がおすすめな人の特徴

  • 自宅に充電設備を設置できる(戸建て住まいなど):EVの利便性と経済性を最大限に享受できる絶対条件です。
  • 走行距離が短い(近所の買い物や通勤がメイン):航続距離への不安がほぼなく、燃料費削減効果を最も実感できます。
  • 新しいテクノロジーが好き:静粛性や加速力、アップデートで進化する車という概念に価値を見出す人には最高のパートナーです。
  • セカンドカーとして導入を検討している:長距離はガソリン車、日常はEVという使い分けは非常に合理的です。

EV購入は「待った」方が良い人の特徴

  • マンション住まいで自宅充電が難しい:公共充電器のストレスに常に晒され、EVのメリットが半減します。
  • 長距離ドライブやウインタースポーツが趣味:航続距離の低下が行動を大きく制限し、常に充電計画に悩まされます。
  • 1台の車に長く(10年以上)乗りたい:高額なバッテリー交換費用や低いリセールバリューが経済的なリスクとなります。

多くの日本のドライバーにとって、現時点での最適解は、EVの課題とガソリン車の将来性への懸念とのギャップを埋めるハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)かもしれません。これらは充電インフラを気にすることなく、優れた燃費性能と高いリセールバリューを両立できる、バランスの取れた選択肢と言えるでしょう。

まとめ

EVへの移行は確実な時代の流れですが、その裏には充電インフラ、バッテリー、経済性といった数多くのリアルな「デメリット」が存在します。メディアで語られる楽観的な情報や補助金の額面だけで判断するのではなく、ご自身のライフスタイルや価値観と、今回解説したEVの現実を冷静に照らし合わせることが重要です。

この記事が、あなたの後悔のない車選びの一助となれば幸いです。

0
削除
走り屋ゴンザレス
コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを投稿するには、ログインする必要があります。

ページトップへ