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選択的夫婦別姓とは?賛成・反対の理由から世界の現状まで解説

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明石
目次
そもそも「選択的夫婦別姓」とは?現在の日本の制度 なぜ必要?選択的夫婦別姓【賛成派】の3つの主張 主張1:個人の尊重「名前はアイデンティティの一部」 主張2:ジェンダー平等「女性への不利益が大きい」 主張3:実用性「名義変更の手間がなくなる」 なぜ慎重?選択的夫婦別姓【反対派】の3つの懸念 懸念1:家族の一体感「夫婦同姓は家族の絆」 懸念2:子供への影響「いじめや混乱の可能性」 懸念3:社会制度への影響「戸籍制度が複雑に」 国会での議論は?各政党のスタンス 世界ではどうなってる?海外の夫婦の姓 選択できる国が多数派 夫婦同姓を法律で義務付けているのはG7で日本だけ まとめ:個人の生き方と家族のあり方を考える

選択的夫婦別姓をめぐる議論は、「個人の名前を自己決定する権利や男女平等」を重視する賛成派と、「夫婦が同じ姓を名乗ることで得られる家族の一体感」を重んじる反対派の価値観が対立しているのが核心です。日本の民法では夫婦同姓が義務付けられており、これはG7で唯一の制度です。この記事では、賛成・反対双方の主張、政治の動き、そして世界の常識を分かりやすく解説します。

そもそも「選択的夫婦別姓」とは?現在の日本の制度

「選択的夫婦別姓」とは、結婚する際に、夫婦が**「これまで通りの同じ姓を名乗る」か、「それぞれの結婚前の姓を名乗り続ける(別姓)」かを選べる**ようにする制度のことです。

現在の日本の法律(民法750条)では、夫婦は必ず夫または妻のどちらかの姓に統一すること(夫婦同姓)が義務付けられています。現実には、結婚するカップルの約95%が夫の姓を選択しており、女性側が改姓に伴う大きな負担を負っているのが現状です。

なぜ必要?選択的夫婦別姓【賛成派】の3つの主張

制度導入を求める声は、主に個人の権利、ジェンダー平等、実生活での利便性の観点から上がっています。

主張1:個人の尊重「名前はアイデンティティの一部」

賛成派は、長年使ってきた姓は個人の人格やアイデンティティと深く結びついており、それを自分で選ぶ権利は尊重されるべき基本的な人権だと主張します。姓の変更を強制されることは、自己喪失感につながりかねません。結婚という個人の選択において、名前のあり方も自由に決められるべきだという考え方です。

主張2:ジェンダー平等「女性への不利益が大きい」

結婚で改姓する95%が女性という現状は、女性に不均衡な負担を強いるジェンダー不平等であると指摘されています。特にキャリアを築いてきた女性にとって、姓の変更は仕事上の実績や पहचान の断絶につながる可能性があります。国連の女性差別撤廃委員会からも、日本の制度は問題があるとして繰り返し是正勧告を受けています。

主張3:実用性「名義変更の手間がなくなる」

姓が変わると、運転免許証、パスポート、銀行口座、クレジットカード、各種資格など、あらゆる名義変更手続きに膨大な時間と労力がかかります。 通称として旧姓を使い続ける場合も、公的な書類では戸籍姓が求められるため、二つの名前を使い分ける不便さが生じます。選択的夫婦別姓が導入されれば、これらの負担から解放されます。

なぜ慎重?選択的夫婦別姓【反対派】の3つの懸念

一方、制度導入に慎重・反対の立場からは、家族のあり方や子供への影響を懸念する声が上がっています。

懸念1:家族の一体感「夫婦同姓は家族の絆」

反対派は、夫婦や親子が同じ姓を名乗ることは、家族の一体感や絆の象徴であると主張します。姓が異なると家族としてのまとまりが弱まり、社会の基盤である家族のあり方が揺らぐのではないか、という懸念が示されています。

懸念2:子供への影響「いじめや混乱の可能性」

両親の姓が異なる場合、子供がどちらの姓を名乗るのかという問題が生じます。また、親と子の姓が違うことで、子供が学校などでいじめられたり、家族の認識で混乱したりするのではないかという点が、デメリットとして強く懸念されています。

懸念3:社会制度への影響「戸籍制度が複雑に」

日本の戸籍は、一つの夫婦とその子供を単位として一つの姓で編製されています。夫婦別姓を認めると、この戸籍制度が複雑化し、行政手続きの負担が増えるという意見があります。

国会での議論は?各政党のスタンス

選択的夫婦別姓は、国会でも長年議論が続く重要な政治テーマです。各政党の立場は以下のようになっています。

  • 賛成・推進の立場:立憲民主党、公明党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党などは、個人の権利やジェンダー平等の観点から制度導入に賛成し、法案を提出するなど積極的に動いています。
  • 反対・慎重な立場:参政党などは、家族の一体性を重視し、反対の立場を明確にしています。
  • 党内で意見が分かれる:<b>自由民主党(自民党)</b>は、党内で賛成派と慎重・反対派が混在しており、党としての意見が一本化されていないのが現状です。保守派議員を中心に反対意見が根強い一方、推進派の議員も存在します。

最高裁判所は2015年と2021年に、夫婦同姓制度を「合憲」と判断しましたが、同時に「この問題は国会で民主的に議論され、判断されるべきだ」とも言及しており、政治の場での議論が求められています。

世界ではどうなってる?海外の夫婦の姓

国際的に見ると、日本の夫婦同姓制度は非常に珍しいものです。

選択できる国が多数派

アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンなど、欧米の多くの国では、結婚後の姓をどうするかは夫婦の選択に委ねられています。 同姓、別姓、あるいは二人の姓を合わせた「結合姓」など、多様な選択肢があります。タイなどアジアの国でも選択制が導入されています。

夫婦同姓を法律で義務付けているのはG7で日本だけ

かつてはドイツなども夫婦同姓を義務付けていましたが、憲法違反との判断が示され、選択制に移行しました。現在、先進7カ国(G7)の中で、法律で夫婦が同じ姓になることを強制しているのは日本だけです。また、韓国や中国のように、伝統的に夫婦別姓が原則の国もあります。

まとめ:個人の生き方と家族のあり方を考える

選択的夫婦別姓の議論は、個人のアイデンティティをどう尊重するか、そしてこれからの時代の家族のあり方をどう考えていくか、という大きな問いを私たちに投げかけています。

賛成派が主張する個人の権利や利便性と、反対派が懸念する家族の絆や子供への影響。どちらの意見にも耳を傾け、誤情報に惑わされず、正確な情報に基づいて考えることが重要です。国際的な潮流や社会の変化も踏まえ、誰もが生きやすい社会の形を模索する議論が、今後も続いていきます。

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明石
はじめまして!明石です!複雑化する現代社会の力学と、未来を形作る新たな潮流。その根底にあるものを読み解き、時代の羅針盤となるような洞察を発信します。この「引き出し」が、変化を見通し、次代を構想するための一助となれば幸いです。共に知的な探求の旅へ。
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