知らないと損する!引っ越し&部屋探しの最適時期
新生活のスタートや住環境の変化など、人生の節目に訪れる「引っ越し」。どうせなら、少しでもお得に、そして満足のいく部屋探しをしたいですよね。実は、引っ越しや部屋探しの「タイミング」を意識するだけで、費用を抑えられたり、より多くの物件から選べたりと、大きなメリットがあるんです。
この記事では、賃貸物件の市場動向を踏まえながら、引っ越しと部屋探しのベストタイミングについて徹底解説します。費用を抑えたい方、豊富な選択肢からじっくり選びたい方、それぞれのニーズに合わせた賢い時期選びのヒントが満載です。さあ、あなたにとって最高の引っ越しタイミングを見つけましょう!
引っ越しの「シーズン」到来!繁忙期と閑散期、それぞれの特徴って?
日本の賃貸市場には、ハッキリとした「繁忙期」と「閑散期」が存在します。まずは、この市場のリズムを掴むことが、賢い部屋探しの第一歩です。
1. 第一次繁忙期(1月~3月):新生活ラッシュで大忙し!
一年で最も不動産業界が活気づくのが、1月から3月にかけての時期です 。4月の新年度や新学期に向けて、学生や社会人の移動が集中するため、物件を探す人も貸す人も一気に増えます 。不動産会社は連日大盛況で、12月頃からその忙しさは始まるとも言われています 。この時期は、退去する人と入居する人が入れ替わるため、物件の動きが非常に活発になります 。
2. 第二次繁忙期(9月~10月):秋の転勤シーズン到来!
春ほどではありませんが、9月から10月も引っ越しシーズンと言えます 。これは、多くの企業で秋に人事異動が行われるため、転勤に伴う住み替え需要が増えるからです 。春の繁忙期に比べると、ファミリー層の動きがやや目立つ傾向にあります 。
3. 第一次閑散期(6月~8月):梅雨と猛暑で市場はクールダウン
春の引っ越しラッシュが落ち着くと、市場は一旦静けさを取り戻します 。特に6月から8月は、梅雨のジメジメした気候や夏の厳しい暑さも相まって、引っ越しを避けたいと考える人が増えるため、不動産会社の来店客数も減少します 。この時期、不動産会社は繁忙期にはできなかった情報収集や、次期シーズンに向けた準備などに時間を充てることが多いようです 。
4. 第二次閑散期・移行期(4月~5月、11月~12月):次のシーズンへの助走期間
- 4月~5月:繁忙期のピークは過ぎるものの、その時期に希望の物件が見つからなかった人や、あえて混雑を避けていた人たちが活動するため、ある程度の賑わいは残ります 。ただし、5月に入ると4月中に空室が埋まり、市場に出回る物件数はやや減少傾向に転じることもあります 。ゴールデンウィーク期間中は不動産会社や管理会社が休業することもあり、手続きに時間がかかる場合があるので注意が必要です 。
- 11月~12月:秋の繁忙期が終わり、市場は比較的落ち着いています。一人暮らし向けの物件はやや少なめですが、じっくりと時間をかけて物件を探したい人には適した時期と言えるでしょう 。不動産会社は翌年の繁忙期に向けて物件情報の収集に力を入れ始めるため、12月頃には質の高い物件情報が出回り始めることもあります 。
物件探しのベストタイミングはいつ?理想の住まいと出会うために
「いつ部屋探しを始めるか」は、選べる物件の数や質、そして契約のしやすさに大きく関わってきます。
物件の宝庫!最も多くの物件情報が出るのはいつ?
年間で最も物件情報が豊富に出回るのは、やはり1月~3月の繁忙期です 。新生活に向けた人々の移動が活発になるため、退去する物件が次々と市場に出てきて、空室情報が頻繁に更新されます 。
特に注目したいのが、新築物件の供給が増える点です。多くのアパートやマンションは、3月頃の完成を目指して建設され、1月頃から情報公開や入居予約の受付が始まるケースが一般的です 。そのため、ピカピカの新築に住みたいと考えている人にとっては、この時期が絶好のチャンスとなります。
また、人々が新しい住まいを見つけると、それまで住んでいた物件が空くため、質の高い「優良物件」も市場に出やすいと言われています 。
4月になると、3月末に退去した分の物件が新たに市場に出回るため、一時的に物件供給が増えることがあります 。繁忙期を逃してしまった人や、少し落ち着いた時期に探したい人にとっては狙い目かもしれません。
一方、5月になると4月中に出た空室の多くが埋まってしまうため、市場に出回る物件数は減少傾向に 。夏の閑散期(6月~8月)は、引っ越す人が少ないため、新たに市場に出る物件も少なくなります 。この時期に残っている物件は、繁忙期に借り手が見つからなかった、何らかの理由がある物件である可能性も考慮に入れる必要があるかもしれません 。
秋の繁忙期(9月~10月)には、企業の人事異動に伴い、再び物件の動きが活発になります。特にファミリー向けの物件が市場に出やすい時期とされています 。
そして11月~12月。一人暮らし向けの物件は少なめですが、不動産会社が翌年の繁忙期に向けて物件情報の収集に力を入れるため、データベースが充実し始めます 。12月には、先を見越した優良物件の情報が出始めることもあります 。
競争は激しい?それとも穏やか?
当然ながら、物件の供給が多い時期は、それを求める人も多くなります。特に1月~3月の繁忙期は、需要が供給を上回るため、条件の良い物件は公開後すぐに申し込みが入ってしまうことも珍しくありません 。じっくり考えている間に他の人に決まってしまう…なんてことも。迅速な判断と行動が求められる時期です。
逆に閑散期は、物件数は少ないものの、競争相手も少ないため、時間をかけて物件を比較検討できます 。気に入った物件を焦らずに選べる可能性が高まります。
いつから探し始めるのがベスト?部屋探しの実践的スケジュール
一般的に、入居希望日の2ヶ月前から部屋探しを始めるのが理想的とされています 。繁忙期(1月~3月)に探す場合は、さらに1~2週間前倒しで行動することが推奨されます 。
「もっと早くから探した方が良いのでは?」と思うかもしれませんが、賃貸物件には基本的に「仮押さえ」という制度がありません 。あまり早く良い物件を見つけても、契約して家賃が発生するまでの期間が長すぎると、無駄な家賃を支払うことになったり、そもそも契約できなかったりする可能性があります 。契約から実際の家賃発生までは、通常2週間~1ヶ月程度です 。
具体的なステップとしては、まず2ヶ月前までに希望条件(家賃上限、エリア、間取りなど)を整理し、相場を調べたり、実際に住みたいエリアを訪れてみたりしましょう 。そして、1ヶ月半前を目安に不動産会社へ相談し、物件の内見を開始します 。気に入った物件が見つかれば、1ヶ月前までに入居申し込みと契約手続きを進めます。同時に、現在住んでいる家の解約手続き(通常1ヶ月前通知)も忘れずに行いましょう 。その後、引っ越し業者の手配や荷造りを進めていくという流れになります 。
お金の話は最重要!引っ越し費用を抑えるタイミング術
引っ越しには何かとお金がかかるもの。時期を選ぶことで、これらの費用を大きく節約できる可能性があります。
家賃や初期費用、交渉しやすいのはいつ?
家賃や礼金・敷金といった初期費用の交渉がしやすいのは、やはり閑散期、特に7月~8月です 。この時期は空室を抱える大家さんや不動産会社も、早く借り手を見つけたいと考えているため、交渉に応じてくれる可能性が高まります 。6月~8月は家賃が低下する傾向があるという指摘もあります 。エアコンの交換など、設備の交渉が可能な場合もあるようです 。
ただし、交渉が必ず成功するわけではなく、大家さんの意向や物件の状況次第であることは覚えておきましょう 。また、閑散期に値下がりしていた家賃も、10月に入ると上昇傾向に転じることがあるので注意が必要です 。
一方、1月~3月や9月~10月の繁忙期は需要が高いため、家賃や初期費用の交渉は一般的に難しくなります 。
引っ越し業者代は時期で大違い!賢く節約するコツ
引っ越し費用の中で、時期によって最も大きく変動するのが引っ越し業者に支払う料金です。
最も料金が高騰するのは、3月~4月上旬の繁忙期。この時期は引っ越し業者の需要が供給を大幅に上回り、料金は通常期の1.3~1.5倍 、1.5~2倍 、場合によっては3~5倍にも跳ね上がると言われています 。3月の土日祝日は予約自体が困難なことも多く 、料金交渉の余地はほとんどありません 。これは、需要が集中することに加え、短期アルバイトの雇用増による人件費の高騰も一因です 。
逆に、最も料金が安くなるのは閑散期、特に11月~12月と言われています 。希望の日時で予約が取りやすくなるのも大きなメリットです 。
引っ越し費用を少しでも抑えるための具体的なテクニックとしては、以下のようなものがあります。
- 平日を選ぶ(土日祝日は高め)
- 月の半ばを選ぶ(月末月初は需要が集中しやすい)
- 午後便や時間指定なしのフリー便を選ぶ(午前便は人気が高いため)
- 縁起の良い「大安」などを避ける(人気があり高めになることも)
- 複数の業者から見積もりを取る
時期に柔軟性がある人にとっては、引っ越しの日時を最適化することが、家賃交渉以上に直接的かつ大幅な費用削減に繋がる可能性があります。例えば、4人家族の場合、繁忙期と閑散期で引っ越し費用に約70,000円もの差が出ることもあるのです 。
【時期別】メリット・デメリット徹底比較!あなたに合うのはどっち?
ここまで見てきたように、引っ越しの時期によって状況は大きく変わります。それぞれのメリット・デメリットを整理してみましょう。
繁忙期(1月~3月、9月~10月)に引っ越す場合
メリット
- 物件の選択肢が圧倒的に豊富:年間で最も多くの物件が市場に出回り、新築物件や条件の良い「優良物件」に出会える可能性が高いです 。
- 新生活のスタートと合わせやすい:4月からの新生活や企業の人事異動のタイミングと合わせやすいため、スケジュール管理がしやすい面があります 。
デメリット
- 費用がとにかく高い:家賃や初期費用は交渉の余地が少なく、高止まりする傾向があります 。そして何より、引っ越し業者費用が大幅に高騰します 。
- 競争が激しい:条件の良い物件はすぐに申し込みが入るため、じっくり検討する時間がありません 。
- 手続きが煩雑でストレスも大きい:不動産会社は混雑し、引っ越し業者の予約も困難です 。
- 妥協が必要になることも:迅速な決断が求められるため、理想とは少し異なる物件で妥協せざるを得ない場合もあります。
閑散期(特に6月~8月、11月~12月)に引っ越す場合
メリット
- 費用を大幅に抑えられる:家賃や初期費用の交渉がしやすくなる可能性があります 。引っ越し業者費用は格段に安くなります 。
- 競争が少なく、じっくり選べる:時間をかけて物件を比較検討でき、焦らずに意思決定できます 。
- 不動産業者からの手厚い対応が期待できるかも:不動産業者が比較的閑散としているため、より丁寧な対応を期待できる場合があります 。
- 引っ越し業者の予約が取りやすい:希望の日時を選びやすいです 。
デメリット
- 物件の選択肢が少ない:市場に出回る物件の総数が減少します 。
- 条件の劣る物件が残っている可能性も:繁忙期に借り手が見つからなかった物件(例:古い、駅から遠いなど)が残っている可能性があります 。
- 季節的な厳しさ:夏の猛暑や梅雨時の引っ越しは体力的にも負担が大きいです 。
- 「新生活応援フェア」などの恩恵が少ない:春によく見られる家具・家電のセールなどが少なく、これらの購入費用が高くつくことがあります 。
最近の賃貸市場の動向も知っておこう!
引っ越しのタイミングを考える上で、近年の賃貸市場のトレンドも無視できません。
家賃は上昇傾向?
近年、特に都市部を中心に賃貸物件の家賃は上昇傾向にあります 。東京23区では、2023年に全部屋タイプで家賃が大幅に上昇したというデータもあります(例:シングルタイプで前年同月比+3.9%、ファミリータイプで+9.8%、2023年9月時点)。この背景には、一般的なインフレ、コロナ禍後の都心回帰、分譲マンション価格の高騰による賃貸へのシフト、質の高い賃貸住宅への需要増などが挙げられています 。
2023年の季節変動は例年と異なり、通常は閑散期に入る4月から家賃が上昇する動きが見られました。これは新型コロナウイルスの5類移行に伴う経済活動の本格化が影響した可能性が指摘されています 。首都圏の平均家賃は2025年に入っても微増傾向が続いているという報告もあります 。
全国平均でも、2018年から2023年にかけて賃貸住宅の家賃は7.1%上昇しているというデータもあります 。
このような家賃上昇トレンドは、従来の閑散期における家賃の「下落幅」を相殺したり、縮小させたりする可能性があります。交渉の余地は残るものの、交渉開始のベースライン自体が上昇している可能性を念頭に置く必要がありそうです。
リモートワーク普及で住まいのニーズも変化?
コロナ禍以降、リモートワーク(テレワーク)の普及は、私たちの住まい選びにも影響を与えています。自宅に「働く場所」としての役割が加わったことで、仕事部屋や作業スペースを求める声が高まっています 。2021年度の首都圏における雇用型テレワーカーの割合は42.1%に達し、今後も継続意向が高いことが示されています 。
これにより、駅からの距離や通勤時間に対する考え方にも変化が見られるかもしれません。従来は駅へのアクセスが最重要視される傾向がありましたが 、リモートワークの頻度が増えれば、多少駅から離れても広い家を求める傾向が出てくる可能性があります。ただし、2023年の調査では、通勤時間そのものを妥協する人は少なく、希望の沿線やエリア内で駅から多少遠くても許容するという傾向が示されています 。
また、Z世代など若い層では、「コストパフォーマンス」「タイムパフォーマンス(駅近、近隣施設の充実、宅配ボックス、24時間ゴミ出し可など)」「スペースパフォーマンス(ロフト、天井高など)」を重視する傾向があるようです 。
これらの変化は、物件探しのタイミングにも影響を及ぼす可能性があります。例えば、仕事部屋として使える間取りなど特定の条件が不可欠な場合、選択肢の多い繁忙期に探す必要性が高まるかもしれません。一方で、リモートワークにより勤務地への依存度が下がれば、より広範なエリアで、競争の少ない時期に物件を探すという選択も現実味を帯びてきます。しかし、広い間取りへの需要増は、そうした物件タイプの競争を激化させる可能性も秘めていると言えるでしょう。
まとめ:あなたにとっての「ベストタイミング」を見つけよう!
ここまで見てきたように、引っ越しや部屋探しの「最適なタイミング」は、一概には言えません。何を最も優先するかによって、ベストな時期は大きく変わってきます。
- とにかく費用を抑えたい! → 閑散期(特に6月~8月、11月~12月)が狙い目。家賃交渉や引っ越し費用の大幅な節約が期待できます。
- たくさんの物件から選びたい!新築がいい! → 繁忙期(特に1月~3月)がおすすめ。物件数は豊富ですが、競争は覚悟しましょう。
- 費用も選択肢も、ある程度バランスを取りたい! → 繁忙期直後の4月~5月や、繁忙期直前の12月下旬~1月上旬といった「ショルダーシーズン」を検討してみるのも良いでしょう。
近年の家賃上昇トレンドや、リモートワークによる住まいニーズの変化も考慮に入れつつ、ご自身のライフプランや予算、住まいに求める条件などを総合的に判断することが大切です。
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