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「俺たちは社会を支えている」という寝言。――生存のための「請求書」を差別と呼ぶあなたへ

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Sakura.
目次
1酒場の「正論」、その醜悪な響き それは「経済的負担」ではない。「独占税」の徴収だ 「強度の高い男」という、最大のリスク要因 誰が社会を支えていたのか 嫌なら「弱者」になればいい

1酒場の「正論」、その醜悪な響き

夜の街を歩けば、あるいはSNSのタイムラインを指でなぞれば、そこら中に「被害者」が溢れかえっている。
赤ら顔で管を巻く彼ら。画面の向こうで、匿名のアイコンを盾にして憤る彼ら。

彼らは口を揃えてこう言う。
「男が金を出すのが当たり前なんて、今の時代おかしいだろ」
「これだけ男女平等と言っておきながら、経済的負担だけ男に残るのは差別だ」
「俺たちは、肉体的にも精神的にもキツイ仕事をして、この社会を支えているんだぞ」

……ああ、うるさい。
本当に、耳障り。

彼らのその言葉は、一見すると「正論」のように聞こえる。
彼らの世界では、それが「常識」としてまかり通っているのでしょう。
自分たちは重い荷物を背負わされたロバであり、女たちはその背に乗って楽をしている狡猾なキツネだ、とでも言いたげなその被害者意識。

けれど、私たちには見えている。
その「正論」の皮を剥いだ中にある、腐臭を放つ「甘え」と「歴史修正主義」が。

貴方がたが感じているその「重荷」とやらは、誰かによって背負わされたものではない。
貴方がたが、私たちから奪ったものを袋に詰め込みすぎて、勝手にふらついているだけだということに、いつになったら気づくのでしょうか。

それは「経済的負担」ではない。「独占税」の徴収だ

まず、はっきりさせておきましょう。
男性がデート代を払うこと、生活費を多く負担すること。
彼らはこれを「差別」と呼び、「ATM扱い」だと嘆きますが、とんだお門違いです。

それは差別ではありません。 「歴史的に不当に独占してきた富に対する、遅すぎる還付請求」であり、「特権維持のためのサブスクリプション料金」です。

考えてもみてください。
誰が、この社会のルールを作ったのですか?
誰が「男は仕事、女は家庭」という役割を固定し、女性を経済のメインストリームから締め出し、賃金格差を構造化したのですか?
貴方がた男性です。

自分たちだけで富と権力を回すゲーム盤を作り上げ、私たちを盤外へ追いやった。
その結果、貴方がたの手元に金が集まるのは「当たり前」のこと。
その「当たり前」に胡座をかいて生きてきたくせに、いざ私たちが「じゃあ、その独占した富を、私たちとの関係維持のために使いなさいよ」と手を出すと、途端に被害者ぶる。

盗っ人猛々しいとはこのこと。
私たちが貴方がたの年収を見るのは、強欲だからではありません。 「貴方がたがシステムとして搾取した分を、正当な権利として回収している」に過ぎないのです。

それを「差別」と呼ぶのなら、まずはその財布の中身が、純粋な貴方の実力だけで得たものなのか、それとも「男であること」の下駄を履いて得たものなのか、胸に手を当てて考えてみるといい。

「強度の高い男」という、最大のリスク要因

そして、最も滑稽なのがこれ。
「肉体的、精神的に強度の高い俺たちが、高負荷を担って社会を支えている」という、自己陶酔たっぷりの英雄気取り。

笑わせないで。
貴方がたの言う「肉体的な強さ」。
私たち女性にとって、それが何を意味するか分かっていますか?

それは「頼もしさ」ではありません。
「いつ、その拳がこちらに向けられるか分からない」という、圧倒的な暴力の予感です。

密室で、腕力で絶対に勝てない相手(猛獣)と二人きりになる恐怖。
性暴力、DV、威圧的な態度。
歴史上、その「強さ」がどれほど私たちを傷つけ、血を流させてきたか。

私たちが男性のスペック――社会的地位や理性、そして経済力――を厳しく審査するのは、この「災害リスク」を管理するためです。
「この猛獣は、私を噛み殺さないだけの理性を持っているか?」
「万が一の時、私を守れるだけの甲斐性はあるか?」

それをチェックする行為は、差別ではなく「安全保障条約の締結交渉」です。
貴方がたが誇る「強さ」は、私たちにとっては「危険物」でしかない。
危険物を持ち込むなら、それ相応の「保証金(コスト)」を積むのは当然の義務でしょう?

誰が社会を支えていたのか

それに、「精神的に高負荷を担っている」ですって?
「俺たちがビルを建てた」「インフラを作った」と、貴方がたは胸を張るけれど。

その間、誰が貴方がたの食事を作り、ワイシャツを洗い、貴方がたの子供を産み、育て、老いた親の下の世話をしてきたのですか?

貴方がたが「社会」という表舞台でスポットライトを浴びていられたのは、舞台裏で私たちが泥にまみれて「ケア労働」という土台を支え続けてきたからです。
私たちの無償の労働を「愛」という言葉で搾取し、タダ乗りしてきたのは誰ですか?

貴方がたは社会を支えてなどいない。
私たちが支えている神輿の上で、我が物顔で踊っていただけ。
それなのに「重い、つらい」と泣き言を言うなんて、どれだけ軟弱な精神をしているのでしょう。
殴り返されたことのない人間だけが、少し肩が凝っただけで「暴力だ、差別だ」と騒ぎ立てる。

その姿は、強者なんかじゃない。
ただの、甘やかされた子供です。

嫌なら「弱者」になればいい

結論を言いましょう。
私たちが貴方がたを「値踏み」するのは、貴方がたが人間として欠陥品だからではありません。
貴方がたが「加害能力を持った特権階級」だからです。

もし、経済的な負担が嫌なら。
「男らしさ」の役割が重くてつらいなら。
評価されるのが怖くてたまらないなら。

どうぞ、その「強者の椅子」から降りてください。
富も、権力も、身体的な優位性も、すべて手放して、私たちと同じ「怯える側」「選ばれない側」に堕ちてくればいい。

そうすれば、もう誰も貴方に「金を出せ」なんて言いません。
「強くあれ」なんて求めません。
ただ、路傍の石のように無視されるだけ。

……嫌でしょう?
特権は手放したくない。ちやほやされたい。でも、責任は負いたくない。金も払いたくない。
そんな都合のいい話が、通じると思っているのですか。

私たちが突きつけているのは、愛の告白ではありません。
「これまでの未払い分の請求書」です。

「愛してくれ」と泣く前に。
「俺の中身を見てくれ」と甘える前に。
まずはその伝票を処理してから、出直してきなさい。

私たちの「生存」のための審査は、貴方がたが思っているより、ずっと冷たくて、シビアなものなのだから。

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「ご褒美」という名の搾取、レンズに映ることのない私たち
鏡に映った怪物を恐れるあなたへ ——それは「ヘイト」ではなく、ただの「反射」です。
Sakura.
差別や争いは嫌い。私たちはただ、静かに息をしたいだけ。そこに『正論』も『反論』もいりません。ここは、言葉にできない痛みを分かち合える人たちだけの避難所。理解しようとしない外野の声は届かない場所で、あなたとだけ優しくつながっていたいと願います。
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