鍋より旨い?白菜とベーコンのクリーム煮|フライパンで簡単
カレンダーも11月29日となり、いよいよ本格的な冬の到来を感じる季節になりました。スーパーの野菜売り場には、ずっしりと重みのある立派な白菜が山積みにされ、価格も安定してきていますね。
皆さんは白菜を1玉、あるいは1/2玉買ったとき、「鍋料理」ばかりになっていませんか?もちろん鍋も美味しいですが、白菜のポテンシャルはそれだけではありません。特に、寒さに当たった今の時期の白菜は、自身の水分が凍らないように細胞内で糖分を生成するため、加熱するとトロトロに甘くなるという性質を持っています。
今回は、その甘みを最大限に活かした「白菜とベーコンのクリーム煮」をご紹介します。
「ホワイトソースを作るのが面倒」「ダマになりそう」と敬遠されがちなクリーム煮ですが、今回はフライパン一つで、失敗なく作れる方法を伝授します。合わせて、煮込んでいる間に作れる5分副菜も紹介しますので、今夜の夕食はこれで決まりです!
フライパンひとつで完成!白菜とベーコンのクリーム煮
AIによるイメージです。
このレシピの最大の魅力は、別茹でも、ホワイトソースの別作りも不要な点です。「白菜 クリーム煮」というキーワードで検索すると多くのレシピが出てきますが、今回は洗い物を最小限に抑えつつ、白菜の芯の甘みを引き出す調理科学的なアプローチを取り入れています。
家にある材料でOK!買い物いらずのシンプル食材
まずは材料の確認です。特別なものは必要ありません。冷蔵庫にある「いつもの食材」が、ご馳走に変わります。
【材料(2〜3人分)】
- 白菜: 1/4株(約500g〜600g)
- 薄切りベーコン: 4枚(約40g〜60g)
- 玉ねぎ: 1/2個
- 牛乳: 300ml
- バター(または油): 20g
- 薄力粉(小麦粉): 大さじ2
- 顆粒コンソメ(または固形ブイヨン): 小さじ1〜2(固形なら1個)
- 塩・コショウ: 適量
- (お好みで)粗挽き黒胡椒、パセリ: 少々
食材選びのポイント:
白菜は、ずっしりと重く、切り口がみずみずしいものを選んでください。黄色味が強い内側の葉は特に甘みが強く、クリーム煮に適しています。ベーコンは、燻製の香りが白菜の青臭さを消してくれるため、ぜひ入れてください。
【作り方】芯をじっくり焼くのが「トロ甘」の正解
手順はシンプルですが、「焼く順番」と「粉の入れ方」に最大のコツがあります。
手順1:白菜を部位ごとに切り分ける
白菜は洗って、芯(白い部分)と葉(緑の部分)に切り分けます。
ここが重要です。芯は繊維に沿って3〜4cmのそぎ切りにし、火の通りを均一にします。葉の部分はざく切りにします。玉ねぎは薄切り、ベーコンは1cm幅にカットしましょう。
手順2:芯を焼き付けて甘みを引き出す(メイラード反応)
フライパンにバターを熱し、まず「ベーコン」と「玉ねぎ」、そして「白菜の芯」だけを入れて中火で炒めます。
ここでのポイントは、あまり動かさずに焼き色をつけることです。白菜の芯を焦げ目がつくまで焼くことで、香ばしさが加わり、煮込んだときに深いコクが生まれます。葉はすぐに火が通るので、まだ入れません。
手順3:魔法の粉まぶしテクニック
芯が透き通って焼き色がついたら、ここで薄力粉を直接具材に振り入れます。
「えっ、そのまま?」と思うかもしれませんが、これがダマにならない秘訣です。具材についた油分と水分で粉をコーティングするように、粉っぽさがなくなるまで1分ほどしっかり炒め合わせます。これをすることで、後から牛乳を加えたときに自然にとろみがつきます。
手順4:牛乳を加えて煮込む
粉が馴染んだら、牛乳を一気に入れずに、2〜3回に分けて加えます。木べらで混ぜながら加熱し、フツフツとしてきたら、残しておいた「白菜の葉」とコンソメを加えます。
葉を後入れすることで、シャキッとした食感を残しつつ、彩りよく仕上げることができます。
手順5:弱火でコトコト、仕上げの調味
とろみがつき、白菜の葉がしんなりするまで、弱火で5〜8分ほど煮込みます。
強く沸騰させると牛乳が分離して口当たりが悪くなるので、優しく煮込むのがコツです。最後に味を見て、塩・コショウで整えます。器に盛り、粗挽き黒胡椒を振れば完成です。
熱々のとろみスープをまとった白菜は、口に入れた瞬間に溶けるような柔らかさ。ベーコンの塩気とミルクの甘みが、冷えた体に染み渡ります。
クリーム煮を煮込んでいる間に!5分で作れる副菜
メインがこっくりとしたクリーム味なので、副菜には「食感」や「酸味」「苦味」のあるものを合わせると、献立全体のバランスが良くなります。クリーム煮を煮込んでいる数分間で完成する、超特急レシピを2つ提案します。
苦味なし!子供も食べる「春菊とツナの塩昆布和え」
AIによるイメージです。
「春菊は鍋に入れるもの」と思っていませんか?実は、春菊は加熱するよりも「生」で食べた方が、独特の苦味が少なく、爽やかな香りが楽しめる野菜です。特に茎の部分はシャキシャキとしていて絶品です。
【材料・作り方】
- 春菊: 1/2束
- ツナ缶(オイル漬け): 1/2缶
- 塩昆布: ふたつまみ
- ごま油: 小さじ1
- 春菊はよく洗い、葉をちぎり、茎は斜め薄切りにします。
- ボウルに春菊、軽く油を切ったツナ、塩昆布、ごま油を入れて和えるだけ。
美味しさのロジック:
ツナの油分とごま油が春菊の葉をコーティングし、舌に直接苦味が触れるのを防ぎます。さらに塩昆布のグルタミン酸(旨味)が加わることで、野菜嫌いのお子様でも箸が止まらない「無限サラダ」に変身します。
レンジで時短!彩り鮮やか「人参のマスタードマリネ」
AIによるイメージです。
クリーム煮の白に対して、鮮やかなオレンジ色が映える副菜です。電子レンジを使うことで栄養の流出を防ぎ、甘みを凝縮させます。
【材料・作り方】
- 人参: 1/2本
- 酢: 大さじ1
- オリーブオイル: 大さじ1
- 粒マスタード: 小さじ1
- 砂糖(またはハチミツ): 小さじ1/2
- 人参は細切り(千切りスライサーを使うとさらに早い)にします。
- 耐熱容器に入れ、ふんわりラップをして電子レンジ(600W)で1分半〜2分加熱します。
- 熱いうちに、調味料すべてを加えてよく混ぜ合わせます。
美味しさのロジック:
人参は加熱してから冷ます過程で味が染み込みます。熱いうちに調味料と和えることで、酸味がまろやかになり、粒マスタードの適度な酸味がクリーム煮の濃厚さをリセットしてくれます。
翌日も幸せ!余ったクリーム煮の絶品リメイク術
白菜1/4株を使うと、たっぷり出来上がりますよね。「食べきれないかも」という心配は無用です。むしろ、翌日のために多めに作りたくなるほど、リメイク料理が優秀なのです。
焼くだけで御馳走「白菜グラタン」
一晩寝かせたクリーム煮は、白菜から出た水分と牛乳が馴染み、濃厚さが増しています。これを耐熱皿に移し、とろけるチーズとパン粉を乗せて、トースターやオーブンで焦げ目がつくまで焼くだけ。
もしあれば、少しだけ白ワインを足して混ぜてから焼くと、大人の味わいに変化します。香ばしく焼けたチーズと、トロトロの白菜の相性は抜群。パンに乗せても美味しいですよ。
ランチにぴったり「濃厚クリームパスタ」
休日のランチには、クリームパスタへの変身がおすすめです。
冷蔵庫で冷えて固まったクリーム煮をフライパンに入れ、パスタの茹で汁をお玉1杯分加えて伸ばしながら温めます。そこに茹で上がったパスタを加えて和えるだけ。
ここでのポイントは、「黒胡椒を多めに振ること」です。パスタと合わせると味が少し薄く感じる場合があるので、塩で調整しつつ、黒胡椒でピリッと引き締めると、お店のような「白菜とベーコンのクリームパスタ」になります。
まとめ:白菜のポテンシャルは無限大
今回は、旬の白菜を使った「白菜とベーコンのクリーム煮」と、それに合う副菜、リメイク術をご紹介しました。
- 甘みを引き出すには: 芯をしっかり焼くこと。
- 失敗しないコツは: 具材に小麦粉をまぶして炒めること。
- 献立の工夫: 生の春菊や酸味のある人参マリネで味のメリハリをつけること。
白菜は鍋料理だけの野菜ではありません。寒さが増すごとに甘くなるその自然の恵みを、クリーム煮という形でたっぷりと味わってみてください。安くて、美味しくて、体が芯から温まる。今週末の食卓に、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
この記事の内容に事実と齟齬がないかのチェックを行いました。
まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?
コメントを投稿するには、ログインする必要があります。