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2026年、迷うなら書く。「キャリアの棚卸し」3つのメモ

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薄給代表
目次
憂鬱な月曜日と、財布の紐が固くなる現実 なぜ1月に「キャリアの棚卸し」が必要なのか 労働市場の「熱」と個人の「冷」のギャップ 3月のピークに向けた先行者利益 準備はノート1冊。書くべき「3つのキーワード」 1. 「得意なこと」:ポータブルスキルへの変換 2. 「苦痛なこと」:価値観の逆引き 3. 「これから試したいこと」:市場トレンドとの交差点 転職サイトを眺める前にやるべき、市場価値の客観視 診断ツールの活用 今の会社での「伸びしろ」再確認チェックリスト 動くのが正解とは限らない。「自分の価値」を知ることは最強の安心材料になる

憂鬱な月曜日と、財布の紐が固くなる現実

2026年1月19日、月曜日。正月気分も完全に抜け、冷え込みの厳しい朝に「会社に行きたくない」と感じるのは、単なる気分の問題だけではありません。私たちの生活を取り巻く経済状況が、その不安の根底にあるからです。

直近の統計(2025年11月分)によれば、日本の実質賃金は前年同月比で2.8%減少し、これで11ヶ月連続のマイナスとなりました。名目賃金こそ微増していますが、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が3.3%上昇している現実の前では、給与の伸びは帳消しにされています。「働いても生活が楽にならない」「薄給である」という実感は、決してあなたの気のせいではなく、数字によって裏付けられた日本の現在地なのです。

こうした状況下で、「このまま今の会社にいていいのかな」と迷いが生じるのは、生存戦略として極めて正常な反応です。しかし、焦燥感に駆られて求人サイトを眺めるだけでは、根本的な解決にはなりません。今の仕事に迷いがある人がまずやるべきことは、自分自身の資産価値を正確に把握する「キャリアの棚卸し」です。

なぜ1月に「キャリアの棚卸し」が必要なのか

労働市場の「熱」と個人の「冷」のギャップ

私たちが感じる生活の厳しさとは裏腹に、2026年の労働市場は「売り手市場」の様相を呈しています。労働人口の減少に伴う「2040年問題」を見据え、企業の採用意欲は依然として旺盛です。データによれば、15の主要産業分野のうち、営業、人事、経理、DX関連など9つの分野で求人数が増加傾向にあります。

しかし、ここに落とし穴があります。企業が求めているのは「誰でもいい労働力」ではなく、生産性向上やAI活用に対応できる「質の高い人材」です。自分のスキルが市場のニーズとどう噛み合うのかを整理できていない状態で飛び出しても、希望する条件での転職は叶いません。市場が活況である今だからこそ、冷静な自己分析が必要です。

3月のピークに向けた先行者利益

1月というタイミングも重要です。例年、求職者の動き(仕事検索数)は年明けから徐々に増加し、3月にピークを迎えます。企業の採用予算消化や新年度体制に向けた求人が出揃うのが1月から2月にかけてです。多くのライバルが動き出す3月になってから慌てて準備を始めるのではなく、比較的時間の取れる1月のうちに自分の方向性を定めておくことで、優良な求人に出会える確率は格段に高まります。

準備はノート1冊。書くべき「3つのキーワード」

デジタルツールを使わずとも、ノートとペンがあれば深い内省は可能です。以下の3つのキーワードを書き出すことで、曖昧だった自分の強みや価値観が浮かび上がってきます。

1. 「得意なこと」:ポータブルスキルへの変換

最初に書き出すのは「得意なこと」です。ここで重要なのは、特定の会社でしか通用しない業務知識ではなく、業種や職種が変わっても持ち運び可能な「ポータブルスキル」として言語化することです。

厚生労働省の定義などを参考にすると、ポータブルスキルは大きく「仕事のし方」と「人との関わり方」に分類できます。

  • 仕事のし方(対課題スキル):
    • 現状把握力: 複雑な状況を整理し、何が問題かを見抜く力。
    • 計画立案力: 予測不能な変更にも対応しながら、ゴールまでの道筋を描く力。
    • 確実な遂行力: リソースが不足する中でも、納期を守り切る完遂力。
  • 人との関わり方(対人スキル):
    • 社内対応力: 利害が対立する部署間を調整し、合意形成を図る力。
    • 傾聴・提言力: 上司や顧客の意図を汲み取り、適切な提案を行う力。

例えば「営業成績が良い」という事実も、「顧客の潜在課題を発見し(現状把握)、社内リソースを調整して(社内対応)、解決策を提示した」と分解すれば、企画職やPM(プロジェクトマネージャー)にも転用可能なスキルセットが見えてきます。

2. 「苦痛なこと」:価値観の逆引き

次に書き出すのは「苦痛なこと」です。実は、「やりたいこと」を見つけるよりも「やりたくないこと」「苦痛なこと」を明確にする方が、キャリアの軸は定まりやすくなります。なぜなら、ネガティブな感情の裏側には、あなたがどうしても譲れない「価値観」が隠れているからです。

  • 肉体的な苦痛: 長時間労働、満員電車、不規則なシフトなど。これは2026年の労働環境において、自分の体力がどこまで許容できるかの重要な指標です。
  • 精神的な苦痛:
    • 「意味のない会議」が苦痛 → 「効率性」や「本質的価値」を重視したい。
    • 「上司の指示が朝令暮改」が苦痛 → 「論理性」や「一貫性」のある環境で働きたい。
    • 「顧客を騙すような売り方」が苦痛 → 「誠実さ」や「社会貢献」を仕事の中心に置きたい。

このように、苦痛を言語化することは、次の職場選びで絶対に踏んではいけない「地雷」を可視化する作業でもあります。

3. 「これから試したいこと」:市場トレンドとの交差点

最後に、未来に向けた視点として「これから試したいこと」を書きます。これは単なる夢物語ではなく、2026年の市場トレンドと自分の興味が交差するポイントを探る作業です。

現在、企業は「人的資本経営」を掲げ、従業員のスキルアップやリスキリングに投資を始めています。特に需要が高いのが、実務レベルでの生成AI活用やDX推進、そして多様な人材をまとめるマネジメント能力です。

  • 「今の事務作業に、新しいAIツールを導入して効率化してみたい」
  • 「後輩の育成カリキュラムを作ってみたい」
  • 「英語を使って海外とのやり取りに挑戦したい」

こうした「試したいこと」が現在の会社で実現可能であれば、それは今の会社に残る理由になります。逆に、会社の方針が古く、新しい挑戦が一切許されない環境であれば、それは転職を決断する決定的なトリガーとなります。

転職サイトを眺める前にやるべき、市場価値の客観視

ノートへの書き出しが終わったら、その内容をもとに自分の市場価値を客観的に測定します。いきなり求人に応募するのではなく、まずは「自分の値段」を知るフェーズです。

診断ツールの活用

転職エージェントと面談する時間が取れない場合は、公的な支援ツールや民間の診断サービスを活用しましょう。
例えば、厚生労働省が提供する「job tag(日本版O-NET)」や「ポータブルスキル見える化ツール」は、自分の経験を入力することで、強みや弱みを数値化・グラフ化してくれます。また、民間の転職サイトが提供する「年収診断」や「キャリアタイプ診断」も、自分のスキルが今の市場でどの程度の年収レンジに位置するのかを知る目安になります。

今の会社での「伸びしろ」再確認チェックリスト

市場価値を確認した上で、改めて「今の会社に残るべきか」を自問します。以下の項目にチェックが入らない場合、その会社に留まることはキャリアのリスクになる可能性があります。

  • 成長性: 会社は新しい技術や市場(AI、GXなど)に投資しているか?
  • 人材投資: 社員の教育やスキルアップに予算を割いているか?
  • 評価の公正性: 成果が正当に評価され、実質賃金の低下を補う賃上げ努力があるか?
  • 心理的安全性: ハラスメントがなく、意見が言える風通しの良さはあるか?
  • 未来との接続: あなたが「試したいこと」を実現できるフィールドがあるか?

特に、何年も売上が低迷していたり、リスク管理がずさんであったり、変化を嫌う風土が強固である場合、そこは「沈みゆく船」かもしれません。自分の市場価値を維持・向上させるためにも、環境を変える決断が必要になるでしょう。

動くのが正解とは限らない。「自分の価値」を知ることは最強の安心材料になる

1月19日の憂鬱な月曜日。もしあなたが仕事に対する迷いを抱えているなら、まずはノートを開いてみてください。

キャリアの棚卸しの結果、「今の会社でもう少し頑張ってみよう」という結論に至るかもしれません。それは決して妥協ではなく、自分の現状と市場環境を比較検討した上での「戦略的な残留」です。一方で、自分のスキルが他社でも高く評価される可能性に気づき、転職への一歩を踏み出す勇気が湧くかもしれません。

最も危険なのは、自分の価値も市場の状況も知らないまま、漠然とした不安の中で立ち尽くすことです。「いざとなれば、自分には市場で通用するスキルがある」「自分の価値観に合った働き方は他にもある」と知っておくことは、不確実な2026年を生き抜くための最強の安心材料になります。

まずは30分、自分のためだけに時間を使ってみてください。そのメモ書きが、あなたのキャリアを好転させる最初の一歩になるはずです。

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「来年もこの会社?」迷いを断つ。年末年始のキャリア棚卸し術
薄給代表
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