user uploaded photo

うつ病でも、励ましてほしいときがある

9
削除
とわの恵

私はうつ病になってから、安定するまで、

様々な症状を体験しました。


一般的に知られているのは、

本人に「頑張れ」と言ってはいけないということ。


私は看護師だったので、

もちろんそのルールは知っています。


本人が頑張っているのに、
励ますことによって

「こんなに頑張ってるのに、これ以上、何を頑張れというの?」

追い込んでしまうから…。

しかし、私の場合、

「頑張ってね」と言ってほしい時もあったんです…。

誰かに背中を押して支えて欲しい時。

みんな、
「うつ病の人には
励ましの言葉をかけてはいけない」
と思っているから、

あともう少し頑張りたいときに
欲しい言葉をもらえず、

さみしく、悲しい気持ちになりました…


これって、わがままでしょうか?


皆が皆、同じ症状、
同じ気持ちとは限らないんです…。


でも周りの人達は、

そんなことを理解するのは難しいかもしれません。
無理もないことです。


私は、寂しくなって、
身近な友人には言いました。

「頑張れって、励ましてくれる...?」と。


友人は、「もちろんだよ!」と
快く引きうけてくれて、
私に声をかけてくれました。

私も「うん、頑張る。ありがとう。」と
返し、

その場を乗り越えて来ました。

この経験から見えてきたもの

私は「うつ病の人には励ましの言葉をかけてはいけない」
という一般的なルールだけでなく、
本当に大切なのは、
その人が今どんな言葉を必要としているかを知ること だと感じました。


「頑張れ」と言われることで辛くなる人もいれば、
「あと少しだけ頑張りたい」ときに
背中を押してほしい人もいる


だから、
励ましていいかどうかを一律に決めるのではなく、
相手の気持ちに耳を傾け、
そっと寄り添うことが大切
なんじゃないかと思うんです。


「何かできることある?」と一言聞いてくれるだけでも、
心が軽くなることがあります。


そして、うつ病の当事者である私たち自身も、

「今はそっとしておいてほしい」
「今は励ましてほしい」

と、少しずつでも気持ちを伝えていけると
いいのかもしれません。


でも、正直に言える環境があるかどうかって、
かなり大きいですよね…。


言葉にして伝えられたらいいけれど、

うつ病のときって
「気持ちを伝えるエネルギーすらない」 こともあるし、


「こんなこと言ったら迷惑かな…」
「わがままだと思われるかな…」


って考えて、
 結局、言いたいことを飲み込んでしまうこともあります。


周りの人が
「何かできることある?」
と聞いてくれるだけでも助かります。


また無理に答えを求められるよりも、
「困ったら言ってね」と伝えてくれるだけでも、
気持ちが楽になることもあります。

「察してほしい」じゃなくて、
「聞いてくれたら答えやすいな」っていう感じです。

でも、実際にはそういう人ばかりじゃないし、

こっちから「こうしてほしい」って言わないと、
伝わらないことも多い…。

だから、
少しずつでも「言える環境」が
広がっていったらいいなぁって思ってます。

それが難しいのもわかってますが...。


周りの人からしたら
うつ病の人にどう接すればいいかわからないのに、
「気を使えってこと!?」
って感じるかもしれませんよね💧


そういう意味ではありません...スミマセン...


正直なところ、
「頑張れがほしい時もあれば、頑張れが辛い時もある」
っていうのは、

周囲からすると
「やっかい」に映ることもあると思います。


特に職場なんかだと、
休んだら他の人の負担が増えるし、
 かといって無理して出勤しても、
周りはどう接していいかわからない...。


だから、結局のところ
「どうするのが正解なのか、周りもわからない」 ですよね。

それが、うつ病の人にとっても、
周りの人にとってもしんどい部分なのかもしれません。

でも、やはり、その時その時で、
相手の気持ちを確かめてもらえると助かります。

「今はどう?」と聞いてくれるだけで、
気持ちが軽くなることもあります。

私は同僚が聞いてくれたから、
恵まれた職場でした。



周りからしたら、うつ病は
やっかいな存在に映ることもあるのかもしれませんね。

お互いにどうしたらいいか分からないのは当然のこと。

だからこそ、
お互いに歩み寄ることが大切なのかもしれません。

うつ病の症状や状態は人それぞれだから、
対応も一律ではありません。

仕事を一緒にする上で、
適度な距離感を持ちながらサポートすることが大切です。

過度に干渉しすぎるのも負担になるし、
逆に何も言わず放置されるのもつらい。

だからこそ、
『何かあったら言ってね』と
伝えるくらいがちょうどいいのかもしれません。

わからないからこそ、
本人の気持ちを聞くことが大切だと思います。

「どうしたらいい?」と聞いてくれるだけでも全然違います。

ただ、答えられる余裕がないときもあるかもしれませんが…💧

小さな一歩が、
うつ病の人にとっても、
周囲にとっても大きな意味を持つのだと思っています。

変に気を使って、何も言わないより、
正直に聞いたほうが早いかも。

それも無理にする必要はなくて、

お互いに無理のない範囲で、
できることをしていけたら、いいのかもしれません。


「何が正解か」は人それぞれ違うから、

うまくいかないこともあるかもしれない。

それでも、
誰かが自分のことを気にかけてくれている、

そんな気持ちが伝わるだけで、

救われる瞬間もある。

だからこそ、

無理のない関わり方で、
少しずつ理解し合えたらいいなと思います。

9
削除
うつ病はひとくくりにできない病気
精神科看護師のリアル/患者様と向き合う時の本音と成長
とわの恵
精神科Ns歴25年以上。精神科が大好きです。消化器内科・外科の経験あり。子育て4人。思春期の反抗の無い子育て「I love youの子育て」実践。Kindle電子書籍を出版。ベストセラー獲得あり。
このユーザーの人気記事
コメント

まだコメントはありません。最初のコメントを書いてみませんか?

コメントを投稿するには、ログインする必要があります。

ページトップへ