「月曜が楽しみな職場」って、都市伝説じゃなかった!
「うちの社員、月曜日になると機嫌が悪くなるんですよね…」
中小企業の社長仲間と話していて、そんなセリフを聞くことがよくある。
実際、日曜の夜に「明日、会社行きたくないなぁ…」なんていう社員のSNS投稿を目にすると、社長としては胸がちくっと痛むわけで。
でも、ほんとにそんなもんなんだろうか?
「月曜が楽しみな職場」って、聞くだけでファンタジー。現実離れした理想論に聞こえるかもしれない。
だけど、もしそれが、ちゃんと戦略と習慣でつくれるとしたら?
しかも、特別なコストをかけなくても、ちょっとした工夫だけでできるとしたら?
今回は、実際に「月曜の出社が楽しみ」と言ってくれるようになった、ある小さな会社のリアルな話を紹介したい。
朝の空気で、会社の雰囲気は決まる
職場の“空気”って、目に見えないけど、感じますよね。
なんか重いな、とか。ピリピリしてるな、とか。逆に「今日はみんな軽やかだなぁ」ってときもある。
実は、この“空気”こそが、社員のモチベーションにめちゃくちゃ影響する。
人は感情の生き物なので、どんなに制度や待遇が整っていても、空気が悪ければやる気なんて出やしない。
特に、月曜の朝。
週明けのスタートダッシュがうまくいかないと、一週間ずっとテンションが低空飛行になりがちだ。
ある会社では、月曜の朝に「沈黙タイム」が常態化していた。
社員たちは席についても、おはようございますも元気がない。目も合わせない。PCの電源を入れる音とキーボードのカチャカチャ音だけが響く。
その雰囲気は、もはや“業務用お通夜”レベルだった。
じゃあ、どうやって空気を変えるか?
答えはシンプルだった。
月曜の朝を、「楽しい時間」にすればいい。
「楽しいこと=ふざけてる」じゃないんだ
ここで重要なのは、楽しいって言っても“チャラチャラしたノリ”を導入するって話じゃないってこと。
例えばその会社では、月曜の朝イチに、こんな取り組みを始めた。
・3分間の「週末ネタトークタイム」
・ランダム指名で「最近笑ったこと」を1人話す
・仕事の話は禁止(とにかく笑えることだけ)
これ、たったの5分くらいで終わる。
でもね、不思議なことに、これだけで空気がふわっと軽くなるんですよ。
笑うってすごい力がある。
そして、笑い合ったあとは、なんかチームの一体感がある。目と目が合いやすくなる。
「笑ってから働く」
これ、馬鹿にできないどころか、生産性アップの秘訣だったりする。
小さな“仕掛け”が、職場の文化になる
もうひとつ、変化を加えたのが「怒らないルール」。
もちろん、ルールっていうと大げさだけど、要は「ミスがあったら、まず笑って流す。改善点は後で冷静に話す」っていう文化にしただけ。
ある時、20代の新人くんがとんでもないミスをやらかした。
顧客に間違った請求書を3件も送ってしまったんですね。
以前だったら、上司が「なんでチェックしなかった!」って雷を落としてた。
でもその時は、部長が一言こう言った。
「いやぁ、やってくれたね〜。これ、社内でネタにしよう(笑)」
その場はドッと笑いが起きた。
もちろん、あとでフォローや対処はちゃんとやったけど、その社員は「怒られないで済んだ」じゃなくて、「自分が笑いに変えてもらえたこと」に安心して、次の日からの顔つきが変わった。
これ、めちゃくちゃ重要な転換点だったと思う。
職場って、制度や給料だけでなく、「どんなときにどんな反応が返ってくるか」で文化ができる。
怒る文化か、笑う文化か。
月曜が楽しみになるかどうかは、こういう小さな場面で決まっていく。
前向きな空気は、求人の武器になる
さて、この記事を読んでいるあなたは、中小企業の社長だろうか?
もしそうなら、「求人がうまくいかない」「応募が来ない」「来てもすぐ辞める」って悩み、感じたことがあるんじゃないだろうか?
実は、職場の“空気”って、採用にもめちゃくちゃ効く。
なぜなら、最近の求職者は「その会社で働いてる自分を想像できるか?」をめちゃくちゃ見てるから。
その時に、暗い職場、冷たい上司、無表情な同僚…そんな映像が浮かんできたら、誰が応募する?
逆に、面接時に社員がニコニコ挨拶してくれて、オフィスに笑い声がある会社だったら?
「ここでなら働けそう」って感じてもらえる確率は一気に上がる。
ある会社では、「月曜の朝が楽しみになる職場づくり」を目指して改革をした結果、半年後に求人応募数が2.3倍になった。
しかも、定着率もアップ。理由を聞いたら「雰囲気が良さそうだったから」っていう声が圧倒的に多かったそうだ。
空気は、見えないけど伝わる。
求人広告より、何倍もリアルに。
さて、あなたの会社はどうですか?
「ウチの会社、月曜がしんどそうな顔ばかりだなぁ…」と思ったら、それはチャンスかもしれません。
月曜が楽しみになる職場って、都市伝説じゃない。
少なくとも、僕は見たことがあるし、実際に起こした会社も知っている。
必要なのは、立派な制度でも、高額な研修でもない。
まずは「5分の雑談」から、始めてみてはどうでしょうか。
社員の笑顔が増えれば、仕事も人生も前向きになる。
そう信じて、今日も一歩ずつ。
次の月曜日が、ちょっとだけ楽しみになる会社が増えたら、きっと世の中も明るくなると思うんです。
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