“経験者採用”よりもリスクが低い!? 志向性で採るという新常識
「経験者じゃないと即戦力にならないし」
「ウチみたいな中小企業は、未経験を育てる余裕がない」
そう思って、ついスキルや経歴重視で採用していませんか?
実はその考え方こそが、今の時代の採用において“最大のリスク”かもしれません。
なぜなら、今はスキルよりも“志向性”で採る企業の方が、結果的に定着率もパフォーマンスも高くなる傾向にあるからです。
え?志向性って何?と思った方、そこから先をぜひ読んでみてください。
新しい採用の考え方が、あなたの会社の未来をガラッと変えるかもしれません。
その人、会社の方向とズレていませんか?
どんなにスキルがある人でも、会社の空気や方針と合っていないと、たいてい長続きしません。
言ってみれば、方向の違う電車に乗ってるのと同じようなものです。
いくら速く走れる電車でも、行き先が逆なら降りるしかない。
それなのに多くの企業が「この人はスキルがあるから」と言って、行き先を見ずに採ってしまう。
これ、めちゃくちゃもったいないですよね。
逆に、スキルはまだ未熟でも「この会社の目指している方向が好き」「理念に共感している」「成長していきたい」という想いが強い人って、意外と伸びるんです。
こうした“志向性”が合っている人は、会社の文化に馴染みやすく、育成コストも自然と下がる傾向があります。
スキル重視が引き起こす“見えないコスト”
「経験者なら即戦力でしょ」
たしかにそう思いたくなる。でも、ここに落とし穴があります。
たとえば、採用した経験者が3ヶ月で辞めたとしましょう。
その人のために費やした時間、教育、フォロー、人間関係の再構築…全部、コストです。
さらに言えば、「辞めた理由」が人間関係や理念のズレだった場合、次も同じような人を採れば、また同じことが起きる。
じゃあ、最初から「うちの会社の考え方に共感してくれるか」「この人は、うちのステージでやりたいことと一致しているか」を見た方が、よっぽど確実じゃないですか?
スキルは後からでも育てられるけど、価値観のズレはなかなか埋まらない。
ここを見落とすと、採っても採っても、結局「またか…」のループに入ってしまいます。
志向性採用で変わった、ある会社の実例
実際に志向性採用を取り入れて大きく変わった会社があります。
都内の社員10名ほどの小さな建設系の会社。
これまで「経験者」「資格保有者」にこだわっていた結果、離職率は年間50%超えという地獄のような状況。
そこで、ある時から方針をガラッと変えました。
「素直で、会社の価値観に共感してくれる人を採ろう」
「経験よりも、人間性や志向性で判断しよう」
こう決めてから、面接ではスキルの質問を控え、「なぜこの業界に興味を持ったのか」「あなたが大切にしている価値観は?」といった質問に重きを置くようにしました。
その結果どうなったか。
直近1年間の離職者ゼロ。
しかも、未経験から入った若手社員が、今では職長候補にまで育っています。
「経験」よりも「志向性」を見たことで、会社はまったく別のフェーズに入ったんです。
じゃあ、どうやって“志向性”を見抜けばいいのか?
ここで気になるのが、「じゃあ志向性ってどう見ればいいの?」という話ですよね。
これ、実は簡単なコツがあります。
面接で「スキル・過去の実績」ばかり聞いてしまうと、その人の“過去”しか見えません。
でも、志向性を見たいときは「未来」に目を向けさせる質問をすればいいんです。
たとえば、こんな感じ。
・この会社に入って、どんなことをやってみたいですか?
・将来どんな自分になっていたいと思いますか?
・どんな時に仕事が楽しいと感じますか?
・どんな価値観の人と一緒に働きたいと思いますか?
こうした質問をすると、その人の「モチベーションの源泉」が見えてきます。
表面的な志望動機ではなく、その人が本当に望んでいる“働き方”や“生き方”が浮かび上がってくるんです。
ちなみに、こういう質問って、面接する側にも力が必要になります。
でも、逆に言えば、こういう質問ができる会社は「ちゃんと人を見てる会社」として、応募者からの評価も上がりますよ。
採用の「見方」を変えると、会社が変わる
今の時代、経験者を採ることが必ずしも“安全”とは言えなくなっています。
むしろ、価値観がズレている即戦力の方が、組織にとっては“爆弾”になることもある。
だからこそ、これからの中小企業の採用は
「どんな志向性を持った人が、この会社に合うのか?」を明確にして、
その軸で採用する時代に入ってきていると思うんです。
「スキルは後で育てられる。でも、志向性は最初から合ってないと厳しい」
この一言を覚えておくだけで、採用の目線がガラッと変わるはずです。
さて、あなたの会社にとって「一緒に走れる人」とは、どんな人でしょうか?
まずは、そこを言語化するところから始めてみませんか?
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