採れたら売上2倍なのに…なぜ人が増えない?中小企業を止める7つの壁
「売上をあと2倍に伸ばせる確信はある。でも、採用がネックで人を増やせない」
これ、実は今の日本の中小企業でかなり“あるある”な話です。
実際、僕が関わってきた中小企業の社長さんたちも、ほぼ全員が口を揃えて言います。
「人さえいれば、売上はもっと上げられるんだよ」と。
でも、現実は人が採れない。
求人を出しても応募がない。面接してもピンとこない。やっと来たと思ったら辞退される。
そして最後はこうなります。
「うちじゃ無理なのかな」「待遇がよくないから仕方ないよな」って。
いやいや、ちょっと待ってください。
それ、本当に「待遇のせい」だけでしょうか?
今日は、そんな“人を増やしたくても増やせない中小企業”が知らずにぶつかっている「7つの壁」についてお話します。
あなたの会社の採用戦略に、ヒントがあるかもしれません。
本当に必要なのは「求人を出すこと」?
まず前提の話をしましょう。
求人において「募集をかける=採用できる」ではありません。
「水が欲しいから蛇口をひねった」みたいな感覚で求人を出していませんか?
でもその蛇口、パイプが詰まってたら水なんて出てきません。
いまの採用市場って、完全に“売り手市場”。
優秀な人材は、条件を選び放題、会社を選び放題です。
となると、あなたの会社に目を向けてもらうには、ただ「蛇口をひねる」だけじゃダメ。
配管の中身、つまり「会社そのもの」を整える必要があるんです。
壁1:採用を“緊急対処”と捉えている
多くの会社では、退職者が出たり、繁忙期が来たりしてから慌てて求人を出します。
でも、採用って“火消し”じゃなく“投資”です。
余裕があるうちに、未来のための人材を獲っておかないと、結局ずっと後手に回る。
採用活動って、少なくとも半年は見ておかないと結果が出ません。
採用は「育てて収穫する農業」です。
火事が起きてから種をまいても、食べられる野菜はすぐには育ちません。
壁2:「うちなんて…」が口癖になっている
「うちなんて弱小だし…」「うちみたいな会社に人なんて来ないよ」
そのセルフイメージ、めちゃくちゃ求人に出ます。
求職者って、意外と鋭いんです。
求人票の文章ひとつとっても、「この会社、ちょっと自信なさそうだな」って空気感で伝わります。
まずは社長自身が、「この会社で働く価値がある」と本気で思えてるかどうか。
自信がない会社に、誰が人生の一部を預けたいと思うでしょう?
壁3:「社長の想い」を伝えていない
求人票に載っているのは条件だけ。
でも、心が動くのは「人の想い」です。
あなたが大切にしている価値観、会社を通じてやりたいこと、どんな未来を一緒に作りたいのか。
そういった“温度のある言葉”があるだけで、応募率はグッと変わります。
求人票は、条件表ではなく「ラブレター」です。
どんなラブレターを書くかで、どんな相手と出会えるかは大きく変わります。
壁4:「とりあえず若い人」に期待しすぎている
「20代がほしい」「ポテンシャル重視で若手を採用したい」
気持ちはわかります。若い人材には夢がありますよね。
でも、若手にだけ期待しすぎてませんか?
今の若い人は慎重です。「会社を見極めよう」とめちゃくちゃ冷静に見てます。
逆に30代、40代の“本気で転職を考えてる人”の方が、即戦力で覚悟もあったりします。
若さ=伸びしろではあるけれど、「熱量のある人」が欲しいなら年齢は絞らない方がいいです。
壁5:面接が「受験」みたいになってる
あなたの会社の面接、もしかして「答え合わせ」になっていませんか?
「なぜ弊社を志望したのですか?」
「5年後のキャリアプランを教えてください」
…それ、本当に知りたいことでしょうか?
もっと聞くべきなのは、
「あなたが今の職場で悩んでることは?」「転職で叶えたいことは?」
そして、あなたの会社でそれが叶えられるかどうかを、一緒に探すことです。
面接は「ジャッジの場」じゃなくて「マッチングの場」です。
壁6:採用後の“ストーリー”を描いていない
「入社後、どう成長できるのか」
「どんなポジションを任される可能性があるのか」
これ、ちゃんと伝えてますか?
求職者は、今だけじゃなく未来を見ています。
そして未来が見えない会社は、どんなに条件がよくても選ばれません。
「あなたに入ってほしい。そして、3年後にはこんな役割を任せたいと思ってる」
そんな言葉があるだけで、応募の熱量は変わります。
壁7:「求人費=無駄遣い」だと思ってる
広告を出しても応募がないと、「また無駄になった」と感じる人、多いです。
でも、広告って“採用コスト”ではなく“成長への投資”です。
1人採れたら、売上3000万円UPという会社もありますよね?
だったら、数十万の広告費は高くない。
求人にお金をかける会社ほど、実は“本気”が伝わりやすいんです。
今、社長にできるたった1つのアクション
もしこの記事を読んで、1つでも「うち、これ当てはまるかも…」と思ったなら。
今日からできることは、「採用の目的」を見直すことです。
なぜ人が欲しいのか?
その人に、どんな未来を見せられるのか?
そして、あなた自身がどんな会社を作りたいのか?
そこに正面から向き合えた時、求人票の言葉も、面接の姿勢も、ぜんぶ変わってきます。
採用は、企業の未来をつくる“経営戦略”そのもの。
人が増えないのではなく、“選ばれていない”だけ。
でも、それを変えられるのは、社長であるあなた自身です。
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