社長、あなたの“人望”が最強の求人ツールになる時代です
「うちは広告を出しても全然応募が来ないんだよね」
このセリフ、どれだけの中小企業の社長から聞いてきたことか。
求人にお金をかけても、応募ゼロ。
やっと応募が来たと思ったら、条件だけ見て応募した人ばかり。
熱意も何も伝わってこない。
そんな悩みを抱える中小企業の社長さんに、ぜひ知ってほしい考え方があります。
それは、「人望=最強の採用ツール」になるということです。
「え、人望?」って思いましたよね。
でもこれ、けっこう本気です。
広告よりも、信頼が動く時代
かつては、求人広告を出せばそれなりに応募が集まっていました。
リクナビ、マイナビ、indeed、ハローワーク。
どこかしらから誰かは来た。
でも、いまは違います。
求職者は、まずネットで企業名を検索します。
SNSを覗きます。口コミを見ます。
つまり、「この会社、ちゃんとしてるのか?」を、広告じゃなく“人の声”で判断してるんです。
この時代に効くのは、広告じゃなく“信頼”です。
そして、その信頼を集められる最強の資産こそが、社長自身の人望なんです。
紹介が生まれる会社には、ちゃんと理由がある
「紹介で人が集まる会社って、特別な魅力があるんでしょ?」
よくそう言われます。でも、そうとは限りません。
むしろ、特別なスキルや高待遇がなくても「人が人を呼ぶ」会社ってあります。
その共通点は、たった3つです。
社内外に“紹介したくなる空気”がある
まずひとつ目。
紹介が起こる会社って、「紹介しやすい空気」があるんです。
たとえば、今いる社員が会社のことを誰かに話すとき、
「うちの会社、けっこう楽しいですよ」って自然に言えるかどうか。
「紹介して」って頼む前に、「紹介したくなる会社」になってますか?
これ、めちゃくちゃ大事です。
飲食店だってそうじゃないですか。
「また行きたい」「誰かに教えたい」と思うのは、味がうまいだけじゃなくて、雰囲気とか接客とか、全体の心地よさですよね。
会社も同じです。
紹介したくなる空気は、社内の空気感がつくります。
人を巻き込む言葉を、日常的に発信している
ふたつ目は、「言語化」です。
社長の想い、会社のビジョン、大事にしている価値観。
これを、ちゃんと言葉にしていますか?
口だけじゃなく、文字にしてSNSで発信してるとか、社内の掲示板に貼ってるとか、採用サイトに出してるとか。
求職者が気にするのは、「この会社、どんな価値観で動いてるんだろう?」ってことです。
そこに共感があると、紹介される確率がグンと上がります。
たとえば、ある製造業の社長は、自社のInstagramに「社員インタビュー」と「社長の想い」を毎週投稿しています。
すると、投稿を見た社員の友人や知人が「この会社いいね」となって、紹介がポツポツと生まれるようになったそうです。
これ、全部無料でできるんです。
“紹介するきっかけ”を用意している
そして3つ目が「仕組み」。
どんなに雰囲気がよくて、発信が素敵でも、「紹介するタイミング」がなければ、紹介は起きません。
これ、意外と盲点なんですよね。
「紹介してほしい」と口では言っても、いつ・どんな人を・どの役職で・何名ぐらいほしいのか。
それがはっきりしてない会社って、紹介されにくいんです。
飲食店だって、「今週金曜は生ビール半額です!」って言われると、「じゃあ行こう」ってなる。
求人も同じで、「今月中に1名、営業アシスタントを募集してます!」とハッキリ伝えると、紹介が具体的になります。
ある建設会社では、「今月の採用ターゲットシート」を毎月全社員に配っているそうです。
すると、社員が意識的に友人・知人に話すようになって、紹介が継続的に生まれています。
紹介にも“きっかけ”が必要なんです。
社長の「人間力」が、一番の武器になる時代
この話をすると、「いや、うちにはそんな人望ないし…」と謙遜される社長もいます。
でもね、ちょっと思い出してください。
あなたがこれまで積み重ねてきた人間関係、社員との信頼関係、取引先とのやりとり、同業者とのつながり。
それ、全部“人望資産”です。
求人って、見えない人間関係の上に乗っかってるんです。
だからこそ、社長のふるまいや考え方が、紹介の量と質に直結する。
「紹介が生まれない」のは、あなたに魅力がないからじゃありません。
“紹介される仕組み”を用意していないだけなんです。
今日から始められる小さな一歩
ここまで読んで、「うちは紹介ループなんて無理」と思った方。
そんなことはありません。
たとえば、今日からできることとして、こんなことがあります。
・社員に「今、こういう人を採用したい」と具体的に伝える
・LINEの一言やメール署名に「採用強化中!」と入れておく
・会社のSNSで、代表メッセージや社内の雰囲気をちょっとずつ発信してみる
・紹介してくれた人には、ちょっとしたお礼(図書カード、ランチ券、感謝の手紙など)を渡す
どれも、大きなコストはかかりません。
でも、この「紹介される文化」を社内外で育てていくことが、中小企業の未来を変えるんです。
広告は一瞬。でも、信頼は続きます。
そして社長の人望は、信頼の最前線にあります。
この記事が、あなたの会社の採用戦略をひとつ変えるきっかけになればうれしいです。
「誰も応募してこない」と悩む前に、まずはあなたのまわりに目を向けてみてください。
もしかしたら、次の“良い人材”は、すでにあなたのネットワークの中にいるかもしれません。
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