なぜ人は不倫に走るのか?ハマりやすい性格的特徴とは?
「パートナーの様子が最近おかしい…」「もしかして不倫?」そんな疑念が頭をよぎると、不安で夜も眠れなくなってしまいますよね 。なぜ、大切な人がいるにもかかわらず、人は不倫という道を選んでしまうのでしょうか?
もちろん、関係性のマンネリ化 や家庭環境の変化 など、状況的な要因も無視できません。しかし、実は「不倫にハマりやすい」とされる性格的な傾向が存在することも、多くの研究や専門家の見解から示唆されています 。
この記事では、不倫に陥りやすいとされる人の内面、つまり性格的特徴や心理的メカニズムに焦点を当て、その深層を探っていきます。これは誰かを断罪するためではなく、人間関係の複雑さを理解するための一助となれば幸いです。
心の内側を探る:不倫と関連する5つの性格的特徴
特定の性格特性が、不倫という行動へのハードルを下げてしまうことがあります。もちろん、これらの特徴を持つ人が必ず不倫をするわけではありませんが、傾向として関連性が指摘されています。
- 低い自己肯定感と強い承認欲求:「誰かに認められたい」という渇望 自分に自信が持てず、自己肯定感が低い人は、他者からの承認によって自分の価値を確認しようとする傾向があります 。パートナーから十分に評価されていないと感じたり、日常的な孤独感を抱えていたりすると 、関係外の相手からの好意や賞賛が、一時的に心の隙間を埋める魅力的なものに映ってしまうのです 。特に、「モテることで自信を持ちたい」という欲求は、この心理と直結しています 。
- 衝動性とスリル希求:「刺激が欲しい!」という抑えられない衝動 後先を考えず、その場の感情や欲求で行動してしまう衝動性の高さ や、新しい刺激やスリルを求める感覚刺激追求の傾向 も、不倫と関連が深いとされます。「日常がマンネリ化している」と感じると 、「バレてはいけない」という背徳感自体に興奮を覚えてしまうのです 。浮気が発覚した際に「魔が差した」と言い訳する背景には、この衝動性が隠れている場合があります 。
- 低い協調性と共感性の欠如:「相手の気持ちがわからない」 他人の気持ちを理解したり、相手の立場に立って考えたりすることが苦手な「共感性の低さ」 や、他者への配慮に欠ける「協調性の低さ」 も、不倫を繰り返す要因となりえます。自分の行動がパートナーをどれほど深く傷つけるかを想像できないため、罪悪感を感じにくく 、自分の欲求を優先してしまうのです 。
- 自己愛(ナルシシズム):「自分が一番大切」という思考 自分は特別だという意識が強く、賞賛を求め、他人を利用することにためらいがない自己愛的な傾向 も、不倫と関連付けられます。パートナーを自分の欲求を満たすための存在と見なしたり 、「自分にはもっとふさわしい相手がいるはずだ」と考えたりする ため、関係の忠実性を軽視しがちです。
- 低い誠実性と倫理観の欠如:「バレなければいい」という考え ルールや約束を守る意識が低い「誠実性の低さ」 や、「浮気はそれほど悪いことではない」「バレなければ問題ない」といった独自の倫理観を持っている 場合も、不倫への抵抗感は低くなります。パートナーへの裏切り行為であるという認識が希薄で、罪悪感を感じにくいのです 。
より深いメカニズム:愛着スタイルと恋愛観の影響
表面的な性格だけでなく、人との関わり方の根底にあるパターンも不倫への陥りやすさに影響します。
- 不安定な愛着スタイル:「見捨てられ不安」と「親密さへの恐れ」 幼少期の親子関係などから形成される愛着スタイルも関連します。「見捨てられるのではないか」という強い不安を抱える「不安型」 の人は、パートナーの関心を引きつけようとしたり、不安を埋めるために他の人に安心感を求めたりして不倫に至ることがあります 。一方、人と深く親密になることを避け、感情的な距離を置こうとする「回避型」 の人は、束縛感を嫌い、関係を深めることから逃れるために不倫を利用することがあります 。特に回避型は、幼少期の逆境体験と不倫を結びつける要因として指摘されています 。
- 恋愛スタイル:「遊びの愛」と「狂気的な愛」 恋愛をどのように捉えているかも影響します。恋愛をゲームのように捉え、複数の相手との関係を楽しむことに抵抗がない「ルダス(遊びの愛)」 や、独占欲が強く感情の起伏が激しい「マニア(狂気的な愛)」 のスタイルを持つ人は、不倫に走りやすい傾向があると指摘されています 。
- コミットメントへの恐れ:「責任を負いたくない」 結婚や長期的な関係といった「コミットメント」を避けようとする傾向 も、不倫と関連があります。責任を負うことを恐れたり、常に自由でいたい、他の選択肢を残しておきたいという心理が働くことがあります 。
過去からの響き:幼少期の経験が与える影響
不倫しやすい性格傾向は、生まれ持ったものだけではありません。育った環境、特に幼少期の経験が影響している可能性も指摘されています。
- 逆境的な子ども時代(ACEs)の影響 虐待やネグレクト、家庭内の不和といった逆境的な子ども時代の経験(Adverse Childhood Experiences, ACEs)は、健全な愛着形成を妨げ、後の不倫リスクを高める可能性が研究で示されています 。特に、回避型の愛着スタイルを介して影響することが示唆されています 。また、嘘をつかれた経験などが、後の欺瞞行為につながる可能性も指摘されています 。
- 親との関係とモデリング 夫婦仲の悪い家庭で育ったり、親の不倫を目撃したりすることも、子どもの関係観に影響を与え、不倫を「普通のこと」と捉えてしまったり、愛着不安を抱えたりする原因となりえます 。子どもは親の関係性を見て学ぶため 、不安定な関係性が世代間で連鎖してしまう可能性も考えられます。
男性と女性で違いはある?動機の微妙なニュアンス
不倫の動機には、男女で若干の傾向差が見られることもあります。ただし、個人差が大きいことを忘れてはいけません。
- 男性に多いとされる動機: 性的欲求や多様性の追求 、スリルや冒険心 、「男らしさ」の証明や承認欲求 などが挙げられることがあります。リスクを低く見積もる傾向も指摘されています 。
- 女性に多いとされる動機: パートナーとの関係における精神的なつながりや共感、承認の不足 、孤独感や無視されている感覚 、「女性として見られたい」という欲求 などが挙げられることがあります。感情的なつながりを重視する傾向も指摘されています 。
しかし、孤独感 や承認欲求 など、男女共通の要因も非常に多いのが実情です。動機の表現に性差が見られても、根底にある心理的な脆弱性は共通していることが多いのです。
まとめ:複雑な要因を理解する
不倫は、単一の原因で起こるものではありません。本人の性格的特徴 、愛着スタイル 、育った環境 、そして現在のパートナーとの関係性 や状況 など、様々な要因が複雑に絡み合って発生します 。
不倫に走りやすい性格的傾向を理解することは、誰かを一方的に非難するためではなく、人間関係の複雑さや、人が時に抱える内面的な葛藤や脆弱性 を理解するための一歩となります。もしパートナーの行動に悩んでいるなら、一人で抱え込まず、信頼できる人に相談したり、専門家の助けを借りたりすることも考えてみてください 。
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