「そんなの当たり前でしょ?」が副業の武器になる理由
「副業してみたいけど、何も特別なスキルがないんですよね」
これは、僕が副業支援の相談に乗るときに、会社員の方から最もよく聞く言葉の一つです。
まるで「特別な能力や資格がなければ、副業なんて始められない」とでも言うように。
でも、僕はいつもこう返します。
「いやいや、それ…あなたの当たり前が、他の誰かには喉から手が出るほど欲しい“価値”かもしれませんよ」
たとえば、あなたが日々やっている「報連相」。
部下や上司と円滑にやり取りするための工夫。
数字で物事を語れるようにするための資料作成術。
クレーム対応の言葉の選び方や、会議を巻き取る力。
そんな日常の中で“無意識に”やっていることが、
あなたが思っている以上に、他の人にとっては貴重だったりするんです。
気づかないうちに「専門家」になっていた話
僕自身の話をしましょう。
以前、ある起業家の方から「求人広告の見せ方についてアドバイスがほしい」と相談されたことがありました。
そのとき、僕はごく当たり前のように「求人を出す前に、まず誰に届けたいかを明確にしましょう」とか「理想の人物像を言語化したほうがいいですよ」とか、言ったんですね。
すると、その起業家の方がこう言ったんです。
「え、それって…めちゃくちゃすごいですね。そんな発想、今までなかったです」
僕としては、何も特別なことを言ったつもりはなかった。
ただ、本業の中で“呼吸するように”やってきたことを、そのまま伝えただけ。
でも、それが相手にとっては「専門家の知見」として受け取られていた。
その瞬間、僕は思ったんです。
ああ、自分の“当たり前”って、他の世界では“特別”なんだな、と。
「あなたにとっての普通」が、他人にとっての非常識かもしれない
これは副業に限らず、あらゆるキャリアの転機に通じる話ですが、
「見えていない自分の強み」に気づくことって、本当に大きい。
でも、自分ではなかなか気づけないんですよね。
なぜなら、それが“自然すぎて当たり前”になっているから。
たとえば、ある人は毎日5分で上司に報告するメールを的確にまとめているかもしれない。
別の人は、社内でスムーズに部門間調整をするためのコツを自然と実践しているかもしれない。
こういった“誰に教わったわけでもない仕事術”って、すでに一つのスキルなんです。
副業に置き換えると、これらは「発信ネタ」や「商品価値」に転換可能です。
・上司の機嫌を損ねずに提案を通すテクニック
・3分で読める、端的な報告書の書き方
・社内調整のストレスを激減させるコミュニケーション術
これって、情報発信のテーマにもなるし、
note記事やVoicy、YouTube、ひいてはオンライン講座にもつながる可能性がある。
あなたが普段何気なくこなしていることが、
「どうすればできるんですか?」と他人に聞かれるような価値になるんです。
副業は、スキルじゃなく“翻訳”から始まる
じゃあ、どうすればこの「自分にとっての当たり前」を副業につなげていけるのか?
ここで必要なのは、“翻訳力”です。
つまり、自分が自然にできていることを、
「なぜそれができているのか?」という視点で分解していくこと。
たとえば、営業が得意な人がいるとします。
その人に「なぜ契約が取れるんですか?」と聞いても、「いや、普通に話してるだけです」と答えることが多い。
でも、その「普通」の中には、以下のような要素が隠れていたりします。
・初対面の相手でも緊張させない会話の入り方
・相手の課題を自然と引き出す質問の仕方
・契約クロージングで使う一言のタイミング
こういう「分解」と「言語化」をしていくことで、
自分だけのノウハウが“他人に伝わる形”になる。
そしてそれが、情報発信やサービス提供の「コンテンツ」になるんです。
人は、自分では価値に気づけない
少し視点を変えてみましょう。
あなたが「すごいな」と思っている誰かも、
おそらく最初は自分の当たり前が価値になるなんて思ってなかったはずです。
・毎朝6時に起きる習慣をnoteに書いた人が、共感を呼んでフォロワー1万人
・社内プレゼンの資料テンプレートを配布したら、3日で数百DL
・ただの日報の書き方をオンライン講座にしたら、副収入が生まれた
こんなこと、実際に起こっています。
なぜか?
「そんなの誰でもできるでしょ」と思っていたことを、
一歩外の世界に出してみたからです。
人は、自分が見ている世界だけで、自分の価値を決めがち。
でも、ちょっと角度を変えるだけで、まったく違う評価軸が見えてくる。
それって、まるで…。
手の中にダイヤモンドがあるのに、それを石ころだと思ってポケットにしまい込んでるようなものです。
まずは、誰かに話してみよう
最後に、少しだけ実践的な提案をします。
「自分にとっての当たり前」を副業に活かしたいなら、
まずは、信頼できる誰かに「自分がふだんやっていること」を話してみてください。
できれば、同じ業界ではない人がいいです。
その人が「えっ、それってすごいじゃん!」と驚いてくれたら、
そこには、もう“外の世界に価値がある可能性”が眠っているということです。
それがヒントになります。
あなたの中には、すでに副業の“タネ”がある。
足りないのは、それに「気づく視点」と「翻訳する力」だけ。
副業は、ゼロから始めるものじゃない。
むしろ、自分の過去・経験・当たり前を棚卸しして、再発見する旅です。
さあ、あなたは今日、どんな“当たり前”を発信してみますか?
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