まだ更新しちゃいますか?サブリース契約の“隠れた毒針”
「サブリースは安心ですよ。空室でも家賃が入ってきますから」
「うちは一括借上げですから、オーナー様にリスクはありませんよ」
こんな言葉を信じてサブリースを始めたオーナーさん、多いと思います。
でも、それって本当に“安心”なんでしょうか?
僕が今ここで伝えたいのは、「サブリース契約の更新」の話。
一見、事務的で大したことがなさそうに見える“更新”という行為。
だけど、実はそこにこそ、とんでもない落とし穴が潜んでいること、知っていましたか?
それ、本当に同じ条件で更新されてますか?
サブリース契約って、たいてい2年とか3年ごとの更新になってるんですが、
この「更新」って、何となく“同じ条件のまま延長”されるものだと思い込んでいませんか?
実は、契約書をよく見ると、「賃料は見直しのうえ再設定する」なんて文言が入ってること、かなりあります。
つまり、こういうこと。
前回の契約時と比べて、仮に家賃相場が落ちていれば、
サブリース会社は「市場が下がったので、賃料を見直しましょう」と提案してくる。
そして、何も疑わずにサインをすれば、あっさりと“オーナーの手取りが減っていく”。
え?そんなことある?
って思うかもしれませんが、実際にあるんです。しかも結構な頻度で。
「だまされた」と気づいたのは、3回目の更新後だった
ここで、あるオーナーさんの話を紹介します。
仮にAさんとしておきましょう。
Aさんは、築20年・8戸の賃貸アパートを相続して、初めての大家業に挑戦。
不動産会社に相談したところ、「サブリースで楽できますよ」と勧められました。
家賃の90%が保証される。空室でも毎月決まった金額が入ってくる。
Aさんは「これなら安心」と、迷わず契約。
最初の2年は本当に問題なし。
満室が続いていたけど、空室が出ても家賃はそのまま振り込まれる。
ああ、これが不労所得か…とすら思ったそうです。
ところが、2回目、3回目の契約更新のあとに異変が。
「最近、手取りが減ってないか?」
帳簿を見直して驚きました。1回目の契約時と比べて、
なんと、月額家賃が1万5000円も下がっていたのです。
8戸なので、年間でざっくり144,000円のマイナス。
それが2回、3回と積み重なって…10年後には、当初の家賃保証額より20%も減っていた。
もちろん、理由は「市場が下がっているから」。
でも、Aさんの物件周辺では家賃がそんなに大きく下がっていなかったんです。
これ、なぜ起きたと思いますか?
見落とされがちな“賃料改定条項”の存在
多くのサブリース契約には、「定期的な賃料見直し」を可能にする条文がしれっと入っています。
たとえばこんな感じ。
「契約の更新時には、当社およびオーナーの協議により、基準賃料を改定する場合があります」
この一文。さらっと書いてあるけど、恐ろしいのは“協議により”という部分。
実際には、“サブリース会社からの提示”で、半ば一方的に決まってしまうことも少なくありません。
さらに、ほとんどのオーナーさんが「今のままでお願いします」と言って、
その“提示された条件”をそのまま飲んでしまう。だって、難しいし、面倒ですから。
でも、その“ちょっとの妥協”が、じわじわと将来の収入を削っていくんです。
「更新=信頼の証」ではなく、「交渉のタイミング」
ここで言いたいのはただひとつ。
サブリース契約の更新は、
「自動的に、何も考えずに続けるものじゃない」ということ。
むしろ、「交渉のタイミング」として活用するべきなんです。
・いまの家賃相場はどうなってる?
・サブリース会社の提示は妥当なのか?
・他の会社に乗り換えたらどうなるのか?
一度立ち止まって、比較してみる。
たったそれだけで、未来の手取りがまるっきり変わる可能性があるんです。
サブリースを続けるか?乗り換えるか?
実は最近、既存のサブリースから“乗り換え”を希望するオーナーさんが増えています。
その理由の多くが、今回のような「更新による賃料下落」に気づいたから。
そして、他社のサービスでは「2年間の賃料をあらかじめ合意」したり、
「市場賃料が上がればオーナーの手取りも増える」ような仕組みを採用しているところもあります。
Aさんも、3回目の更新を機に、他社サブリースへ乗り換えました。
契約前に2年分の家賃を協議して合意し、その金額は期間中変更されない契約。
しかも、退去後の新家賃も地域相場に基づいて再設定されるので、不公平感がない。
「もっと早く知っていれば…」
Aさんがそう言ったときの表情が、今も忘れられません。
最後に、あなたが選ぶ未来は?
サブリースそのものが悪いとは思いません。
むしろ、正しく使えば、オーナーにとって非常に有効な手段になります。
でも、その“正しく”が難しい。
特に「契約の更新時」は、
見えにくい変化が起こりやすい、最も注意すべきタイミングなんです。
このnoteを読んで、「あ、うちも見直してみようかな」と思った方は、
一度、契約書の“更新条項”に目を通してみてください。
そして、「今の条件で本当に良いのか?」
「もっと自分に合ったサブリースはないか?」
そんな問いを、自分自身に投げかけてみてほしいんです。
選ぶのは、あなたです。
でも、選ぶ前に、ちゃんと知ること。
それが、大切な資産を守るための、最初の一歩になるはずです。
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