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『大丈夫』がつらい—— うつ病の前兆と"寄り添い"の難しさ

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とわの恵
目次
最初の異変 寄り添ってほしかった、その思いの裏切り 診断がついてから見えた違い 「大丈夫」という言葉の重み

これは私の体験ですが、
同じように気づかないうちに心が疲れている人や、
身近な人の変化に気づいた時に
どう接したらよいか悩んでいる人の参考になればと思います。

最初の異変

うつ病の診断を受ける前、
看護師として病棟を巡回している最中に、
突然何かが体に降りてきたような感覚を覚えました。
理由もなく、誰かに叱られたような重苦しい気持ち

別の日、
同僚から「大丈夫?何かあった?」と声をかけられ、
戸惑いながら「え?」と返すと、
「今日、ずっと笑顔がないよ」と指摘されました。

自分では全く気づいていませんでしたが、
言われてみて初めて、
またあの「叱られたような気持ち」になっていたことに気づきました。

寄り添ってほしかった、その思いの裏切り

この体験を友人に話したところ、
「年だって~。気にすんな。その内治る、大丈夫だって!」と
励まされました。

しかし、この反応に深く失望しました。

「ああ、この人、友達だと思っていたのに、
私のことを軽く見ているんだな。
全然分かってくれていない」という思いが湧き上がりました。

症状は毎日ではなかったため、
しばらく様子を見ていましたが、
不定期に理由もなく気持ちが沈む状態は続きました。

何度か同じ友人に話しましたが、
返ってくるのは「大丈夫だって!」の一言。

この言葉が心に刺さり、
あまりにもがっかりして、
もうこの人には話すのをやめようと決めました。

診断がついてから見えた違い

後にこれらがうつ病の症状だったと判明しました。
診断がついてから、
その友人の態度は変わりましたが、
診断前の対応の記憶は今も心に残っています。

一方で、他の友人たちは
「そうなんだね...つらいね」
「何でだろうね...」

寄り添ってくれていました。

「大丈夫」という言葉の重み

今でも「大丈夫だって!」という言葉が心に残っています。

例えば、
何かの試合で「頑張って練習してきたから、大丈夫だって!」という
励ましには根拠があります
努力という裏付けがあるからこそ、その「大丈夫」は意味を持ちます。

しかし、
あの友人の「大丈夫」には何の根拠もありません

まるで人ごとのような冷たさを感じ、
さらに落ち込むことになりました。

苦しんでいる人に寄り添うということは、
答えを急いで与えることではありません。
ただそこにいて、話を聞いてくれることなのかもしれません。

私はこの経験から、
軽々しく「大丈夫だって!」と言わないことにしています。

もし誰かが「つらい」と言ってきたら、
まずは「そうなんだね」と受け止めてあげてください
それだけで救われる人が必ずいます。
あなたはどう感じましたか?

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統合失調症の人たちにとっての週末問題
とわの恵
精神科Ns歴25年以上。統合失調症を応援!子育て4人。4人とも思春期の反抗の無し。「I love youの子育て」実践。Kindle電子書籍を出版。ベストセラー獲得あり。
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