売るのが苦手な人ほど強い|“空気をつくる”セールス術
「セールスって、向いてないんです…」
副業や起業をはじめようとすると、ほぼ100%の人が最初にぶち当たるこの壁。
売るのが怖い。
断られるのが怖い。
「売ってる人だな」って思われるのがイヤ。
そんなふうに思って、なかなか一歩を踏み出せない人が本当に多い。
けど、僕は声を大にして伝えたい。
“売るのが苦手な人ほど、実はセールスの才能がある”
えっ?って思った?
でもこれ、本気で言ってる。なぜなら、売れる人って「売ってる感」がない人なんだよ。
「売れる人」は“しゃべり上手”じゃない
セールスっていうと、多くの人がこう思ってる。
「話すのがうまい人が得意なこと」
「テンション高くて、プレゼン上手な人が向いてる」
でも、ちょっと想像してみてほしい。
あなたが何か買ったとき、決め手になったのって「相手の話術」だった?
それとも、「なんかこの人、安心できるな」「信頼できそうだな」っていう“空気”じゃなかった?
人って、内容よりも雰囲気で判断する生き物なんだよね。
無意識に「この人から買いたい」って思える“空気”を感じたとき、財布の紐がゆるむ。
だから逆に、いくら口がうまくても、“なんか売り込まれてる感”が出た瞬間に警戒される。
セールスって、「話す技術」より「空気づくり」のほうがずっと大事だったりする。
無理に売らないほうが、売れるのはなぜ?
ここで、ある体験談を話すね。
副業でコンサルを始めたばかりのころ、僕は「どうやったら売れるか」ばかり考えてた。
セールストークを準備したり、クロージングの練習をしたり、表情やしぐさを研究したり。
でもね、ぜんっぜんうまくいかなかった。
なぜなら、相手の立場に立ってなかったから。
僕の頭の中は「どうやって契約をとるか」でいっぱいだった。
そのとき出会ったのが、とあるクライアントさん。
当時の僕は、もう“売る”ことを一旦やめて、ただその人の話を聴くことにした。
ただ聴いて、ただ共感して、ただ「それ、わかります」ってうなずいただけ。
そしたら帰り際に、相手の方が言ってくれた。
「民部さん、僕、このサービス申し込みたいです」
えっ?と思った。こっちは何も“売って”ないのに。
このとき、僕ははっきりわかったんだ。
「売らない空気」が、いちばん売れるってことを。
“空気”って、どうやってつくるの?
じゃあ、どうやったらその「買いたくなる空気」ってつくれるのか?
ポイントは3つあると思ってる。
1つ目は、「相手に関心を向けること」。
これは当たり前すぎるようで、意外とできてない。
多くの人が“売る側の視点”で話してしまうから、「私のサービスはこうです!」ってなる。
でも、買うかどうか決めるのは相手なんだよね。だったら、相手の話を聴くほうが先。
2つ目は、「沈黙を恐れないこと」。
沈黙って、気まずいと思われがちだけど、実は“安心”につながる時間なんだよ。
話すのが苦手な人こそ、沈黙を使いこなすとめちゃくちゃ強い。
焦ってしゃべらず、相手が考える時間を“許す”だけで、場の空気がゆるむ。
3つ目は、「結論を押しつけないこと」。
「これ、絶対あなたに合ってますよ!」みたいなセリフは、一歩間違うと圧になる。
「こういう考え方もありますよ」「もし気になるなら、いつでも相談ください」くらいがちょうどいい。
そのゆるさが、信頼になる。
セールスって、コミュニケーションなんだよ。
もっと言えば、“信頼の交換”なんだ。
実は「苦手な人」にしか出せない空気がある
僕が見てきた中で、本当に信頼されている人たちって、全員が全員、セールスマンぽくない。
「話すのがうまくないから、自分らしい言葉で伝える」
「自信満々じゃないから、相手の立場に寄り添える」
「無理に売ろうとしないから、安心感がある」
それって、ぜんぶ“苦手な人”にしか出せない空気じゃない?
「しゃべるのが得意じゃないからこそ」
「セールスが苦手だからこそ」
それが“最強の武器”になるんだよね。
副業を始めたばかりの会社員の人が「セールスが苦手なんです」って言うたびに、僕はこう返すようにしてる。
「それ、めちゃくちゃチャンスですよ」
だって、今の時代、売り込まれるのに疲れてる人が多いから。
自然体で、信頼できて、“この人に任せたいな”って思える人のほうが選ばれるんだ。
「空気をつくる人」が選ばれる時代へ
昔は、「セールス=押しの強さ」だったかもしれない。
でも今は、「セールス=空気づくり」だと僕は思ってる。
押さない。しゃべりすぎない。
聞く、感じる、待つ。
その姿勢そのものが、「この人、信頼できそう」っていう“空気”を生む。
副業で初めて誰かに何かを「売る」ことを考えると、ドキドキするよね。
怖いし、不安だし、自信ないし、断られたら落ち込む。
でもその感覚があるからこそ、相手の立場に立てるんだよ。
だから、売るのが苦手でも大丈夫。
いや、むしろ「苦手だからこそ、あなたにしかできないセールスがある」。
そして、あなたがつくるその“空気”が、誰かの心を動かす日が必ずくる。
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