中小企業の採用が失敗する“8割の原因”は社長にある
ある経営者がポツリとつぶやいた。
「うちはもう、求人にお金かけても人が来ない時代なんだよ…」
違うんです。それ、求人の問題じゃないんです。
“社長の考え方”にこそ、最大のボトルネックがあるんです。
実際、僕がこれまでに関わった100社以上の採用現場を見てきた中で、求人がうまくいかない会社の8割以上に共通していたのは、求人媒体の選定ミスでも、原稿の甘さでもありませんでした。
一番多かったのは、
「社長の思いつき採用」から始まってしまっていること。
──そう、全てはそこから始まっているんです。
求人って、そんなにフワッと始めていいものでしたっけ?
たとえば、あなたが「家を建てたい」と思ったとしましょう。
工務店にいきなり「平屋でいい感じのやつお願い」って言ったら、どうなりますか?
きっと、住みにくい微妙な家ができあがりますよね。
間取りも生活導線もめちゃくちゃ。家具を置いてみたらドアが開かないとかザラ。
実は、これと同じことが「採用の現場」で日常的に起きてるんです。
・「急に人が足りなくなったから、求人出そう」
・「とりあえずハローワークに載せといて」
・「知り合いのあの子、働けないかな?」
…こうした思いつきの採用が、どれだけのコスト・時間・信頼を失っているか、想像したことはありますか?
採用は“ギャンブル”ではない
「採用って、結局タイミングと運じゃない?」
そう言われることがあります。
でも、それって「戦略も設計図もなく、思いつきでやってるからそう感じる」だけです。
求人って、じつは驚くほど“再現性”があります。
ちゃんと設計して実行すれば、業界・地域に関係なく結果は出ます。
事実、僕がサポートしてきた企業の中で、以下のような実績が出ています。
- 建設業(地方・社員15名):月30万円の広告費で応募ゼロ → 設計変更後、2週間で6名応募・1名内定
- 製造業(都内・社員28名):月5万円の広告で毎月1〜2名応募 → ターゲット再設定後、月15〜20名応募に増加
- 福祉施設(地方都市・社員100名):採用媒体を3つ併用するも定着率低下 → 面接の設計を変えて、離職率45%→10%に改善
媒体や費用の問題ではないんです。
大事なのは、採用の土台をどう組み立てるか。
にもかかわらず、うまくいかない会社ほど「とりあえず感」で突っ走ってしまう。
その代償は、1人採るのにかかるコスト数十万どころじゃないんです。
- 社員の信頼が下がる
- 離職率が上がる
- 応募者の口コミが悪くなる
こうした“目に見えない損失”が、ジワジワと会社を弱らせていきます。
「人が来ない」には、理由がある
ちょっと、1社の話をさせてください。
都内で従業員15名の設備工事会社。
社長はいつも忙しく、現場の声をあまり聞かず、「人足りないなら、求人出しといて」と指示するスタイル。
月30万円の求人広告を出しても、半年間で応募ゼロ。
3社の求人会社を渡り歩いて「この業界はもうダメなんだ」と嘆いていました。
でも、ヒアリングをしてみると──
- 求人原稿には「会社の魅力」が一言も書かれていない
- 採用ターゲットがぼんやりしていて、「誰に向けた求人なのか」誰も分からない
- 面接では社長が「やる気ある?」とだけ聞いて即決する(…怖い)
まさに“思いつき採用の教科書”のような状態でした。
そこで一緒にやったのは、たった3つのこと。
- 採用ターゲットの再設計(年齢・転職動機・人生観まで具体化)
- 現場スタッフへのヒアリングから「一緒に働きたい人像」を明文化
- 求人原稿と面接フローを“売り込み型”から“共感型”に変更
結果として、3週間後に6名の応募 → 面接3名 → 1名内定&定着。
現場からも「今回の人、すごく雰囲気合ってます!」という声が出ました。
採用は「人を見極める力」じゃない
この会社のように、変わる企業は「求人票」じゃなく「採用に対する社長のマインドセット」を変えています。
僕は、採用って“社長の経営観が最もあらわれる領域”だと思っています。
その社長がどんな未来をつくりたいのか。誰と働きたいのか。何を大事にしているのか。
それを言語化して、現場と共有して、社外にも発信する。
このプロセスを抜きにして、「いい人が来ない」と嘆くのは、ちょっと違う。
採用って、「目の前の人をどう口説くか」じゃないんです。
「どんな人と、どんな未来を一緒に歩みたいか」を明確にすること。
それが、いま中小企業の採用で一番欠けているピースなんじゃないでしょうか。
思いつき採用から脱却できたとき、会社が強くなる
繰り返しますが、採用が失敗している会社の8割は、求人媒体のせいじゃありません。
求人原稿の文言がちょっと甘いせいでもありません。
「社長の思いつき」からスタートしてしまっていることが、最大の失敗の種なんです。
採用を、戦略に変える。
そのきっかけを作れるのが、コンサルタントの役割です。
外注として“丸投げ”するのではなく、パートナーとして迎え入れ、社長自身が考え方をシフトさせる。
それができた会社は、どんな業種・エリアであれ、必ず成果を出しています。
最後に問いかけたいこと
あなたの会社では、次の採用をいつ、どんな理由で、誰に任せますか?
思いつきで出した求人に、未来の仲間が来ることは、ほとんどありません。
「どんな人に来てほしいか」だけじゃなく、
「その人にとって、あなたの会社は“どんな未来をくれる場所”か」を、どうか今一度考えてみてください。
採用は、事業の“入口”であり、“未来の礎”です。
その第一歩を、感覚じゃなく設計図で描いていく。
それが、採用で勝てる会社の共通点です。
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