そのパスワード,実は危ない?
こんにちは。
今回は、今までの常識が覆されつつある「パスワード管理」の新しい考え方について、わかりやすくお話ししていきます。
これまで、多くの場面で「パスワードは定期的に変更しましょう」と言われてきました。特に職場や学校、ネットバンキングなどでは、「3か月に1度は更新を」という通知を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし、実はこの“定期的な変更”という常識が、今では逆にセキュリティを下げる原因になっていると言われています。意外に思われるかもしれませんが、これは最新の調査や実験結果に基づいた、重要な新常識なのです。
そもそも、なぜ定期的な変更が危険なのでしょうか?

「定期的に変えれば安心」…はもう古い?
頻繁な変更が、逆にセキュリティを下げているかもしれません。 その理由はとてもシンプルで、「人間は複雑なパスワードを何度も覚え続けることが難しい」からです。
その結果、面倒を避けるために「前と似たようなパスワード」にしてしまう傾向が強くなります。たとえば「password1」→「password2」、あるいは「abcd1234」→「abcd1235」のようなパターンですね。
こうした変更は、一見変えているようでいて、実際にはハッカーの解析ツールにとっては簡単に予測できる範囲内です。つまり、変更したつもりでも、セキュリティ的にはほとんど意味がないわけです。
また、短いパスワードそのものにも危険性があります。4桁の数字だけのパスワードであれば、ブルートフォース攻撃(総当たり)によって、ほんの数秒で突破される危険性があります。
たとえ英数字や記号を含めたとしても、文字数が少なければ安全性は大幅に下がってしまいます。実際、8文字未満のパスワードは今やセキュリティの“最低ライン”とも言われています。
こうした背景から、現代のセキュリティ対策では「頻繁にパスワードを変更する」のではなく、「一度、強くて長いパスワードをしっかり作り、それを大切に管理する」ことが推奨されています。
“強力なパスワード”とは、どんなものなのでしょうか?
基本としては、最低でも8文字以上、できれば10文字、12文字と長めに設定するのがベストです。構成としては、大文字・小文字・数字・記号をバランスよく含めることで、解読されにくくなります。
さらに、ちょっとユニークな方法として「日本語のローマ字表記を使う」ことが有効だと言われています。たとえば、「まつもときよし」をローマ字で "matsumotokiyoshi" とする。これは英語圏の解析ツールでは想定されにくく、推測を困難にします。
また、「つ」は "tsu" とも "tu" とも表記できるように、日本語には表記のゆれがあります。こうした違いをうまく活用することで、さらに強力で予測されにくいパスワードにすることができます。
覚えやすくて、なおかつ予測されにくい。これが、現代に求められる“賢いパスワード”です。

次に考えるべきは、万が一、パスワードが流出してしまった場合の対処です。
このとき、やってはいけないのが「少しだけ変える」という対応です。「1234」→「12345」や、「abcd」→「abcde」など、ちょっとした変更は意味がありません。リスト型攻撃と呼ばれる手口では、こうしたわずかな変化もすぐに試されてしまいます。
パスワードを変更する際には、必ず「全く異なる新しいパスワード」を用意することが鉄則です。
そしてもう一つ、忘れてはいけないのが「二段階認証」の重要性です。
パスワード+もう一つの“壁”で守る!
二段階認証を使えば、不正ログインをしっかりブロックできます。
二段階認証とは、ログイン時にパスワード以外にもう一つ、認証コードなどを入力する仕組みのことです。コードはスマートフォンやメールに届くことが多く、これによって、たとえパスワードが盗まれても不正ログインを防ぐことができます。

この仕組みは、まさに“セキュリティの最後の砦”と呼べる存在です。
設定しておくべきサービスの例を挙げると、Amazon、楽天、メルカリなどのショッピングサイトはもちろんのこと、銀行、証券会社、仮想通貨取引所、クレジットカード関連のサイトは必須です。
さらに、GmailやYahoo!メール、Microsoftアカウントなどの主要なメールサービスにも、二段階認証を必ず設定しておきましょう。
最近では、ハッキングによる情報漏洩よりも、「フィッシング詐欺」によるパスワード流出のほうが圧倒的に多いと言われています。偽のログインページにパスワードを入力させて情報を抜き取る手口ですね。
こうしたケースでも、二段階認証を設定していれば、不正ログインはほぼ不可能となります。つまり、パスワードと二段階認証を組み合わせることで、非常に高いセキュリティ環境が実現できるのです。
【まとめ】
・パスワードは、頻繁に変えるのではなく、強力で長くて覚えやすいものを一つ作ること。
・日本語のローマ字や表記の揺れを活用すれば、推測されにくくなり安全性が向上します。
・流出した場合には速やかに全く別のパスワードに変更する。
・そして、すべての重要なアカウントに対して、二段階認証を設定すること。
これらを実践することで、あなたのオンライン生活は、より安心・安全なものになります。
情報社会の今、身を守るために知識と対策は欠かせません。
ぜひ今日をきっかけに、ご自身のパスワード環境を見直してみてください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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