“転職”に逃げ、“副業”に夢を見る前に知っておきたいこと
「もう転職しかないかも」
「いや、副業で人生変えるって話もあるしな…」
そんなふうに迷ったこと、ないだろうか?
僕はある。
そして、同じように悩む人とたくさん会ってきた。
だけど最近思うんだよね。
転職と副業って、“どっちか選ぶ”ものじゃなかったんじゃないかって。
今回は、「転職か副業か」でグルグル悩む人こそ知っておいてほしい、
もう一つの視点について書いてみようと思う。
この選択、実は“どっちも間違ってる”かもしれないんだ。
その選択、本当にあなたの意思?
転職か、副業か。
たしかにここ数年、選択肢は広がった。
転職市場も盛り上がってるし、副業解禁の流れも進んできた。
でも、よく考えてみてほしい。
あなたがその選択をしようとしている理由って、本当に「自分の意思」なんだろうか?
例えば、こんなケース。
「今の会社がつまらない、給料も上がらないし人間関係もしんどい。もう転職したい」
「本業に未来を感じない。だから副業で稼げるようになりたい」
…気持ちはめちゃくちゃわかる。僕も思ってたし、実際にそういう相談もたくさん受けてきた。
でも、どちらのパターンも“感情”が主語になってない?
つまり、「逃げたい」か「夢を見たい」かの2択になってる。
そしてここが落とし穴。
この2つの気持ちに振り回されると、判断を誤るんだよ。
転職しても、また「ここも違った」と思う可能性があるし、
副業を始めても、「思ったよりしんどい」「全然稼げない」と感じて、すぐに諦めたくなる。
そう、感情ベースでの選択って、だいたい続かない。
本当は“重ねる”という選択がある
ここで提案したいのが、「選ばない」という選択肢。
いや、正確に言うと、「掛け合わせる」ってこと。
副業と転職、どちらかを選ぶんじゃなくて、どちらも活かしてみるって発想だ。
たとえば、今の職場を辞めずに、副業をスタートしてみる。
最初は売上なんて気にしなくていい。ただ、「自分のスキルや経験をどう活かせるか」を試す場として捉える。
副業って、いわば“人生の実験室”なんだよね。
そこで、自分の得意や強み、価値観がよりクリアになっていく。
「やっぱり人と話すのが好きなんだな」とか、「書くことが得意かも」っていう再発見がある。
そうして見えてきた自分の本質をもとに、「次に働く場所」を探す。
つまり、副業が“自己分析”になり、転職活動の精度が格段に上がるわけ。
逆に、先に転職してから副業を始めてもいい。
新しい環境でインプットを得ながら、それを副業でアウトプットしていく。
学んだことを自分の言葉で発信すると、知識も深まるし、発信力も磨かれる。
この「副業×転職の合わせ技」、実は今いちばん可能性がある選択肢だと思ってる。
僕自身の話をしよう
ちょっとだけ、僕の話をさせてほしい。
僕は数年前、建設系の企業で役員をやっていた。
安定していたし、そこそこ立場もあった。
でも、「このままでいいのか?」というモヤモヤが消えなかった。
そんなときに出会ったのが“副業”だった。
最初はマーケティングの勉強をしながら、個人事業主を支援する仕事を少しずつ始めていった。
収益はほぼゼロ。でも、やってみると楽しかったし、得意なことや好きなことが見えてきた。
そしてある日、気づいたんだ。
「自分は、“誰かの可能性を引き出す”のが好きなんだ」って。
それがきっかけで、もっとその方向に力を入れたくなり、最終的には転職した。
新しい職場は、自分の副業での経験を評価してくれて、今は経営企画というポジションで働いている。
副業を始めてなかったら、この転職はなかったと思う。
副業が、僕の「棚卸しの場」になって、
転職が、「ステージを変えるジャンプ台」になった。
これって、どっちかじゃなく、どっちも使ったからこそ生まれた結果だった。
大事なのは、問いを変えること
最初に戻るけど、「転職か副業か」で迷ってるときに必要なのは、
「どっちが正解か?」という問いじゃない。
「自分はどう生きたいか?」
「どんな働き方が、自分の価値観に合っているのか?」
この問いに向き合うことこそが、キャリア選択の本質なんだと思う。
そのために、副業も転職も“ツール”として使えばいい。
どちらが上とか、正解とか、そんな話じゃない。
大事なのは、自分が“主導権”を握ること。
自分の人生を、自分の手で設計していくこと。
その手段として副業を始めてもいいし、転職を選んでもいい。
でも、どちらかに依存するのではなく、自分の軸で使いこなす。
それが、これからの時代に必要な「選び方」なんじゃないかな。
最後にひとつだけ
“転職に逃げ、副業に夢を見る”
そんなふうに揺れているときこそ、自分の「選び方の癖」に気づいてほしい。
感情に引っ張られていないか?
誰かの成功ストーリーを追いかけていないか?
もし、そう思ったら立ち止まってみてほしい。
選択肢は、意外と目の前にある。
ただそれが、転職でも副業でもなく、
その“掛け算”の先にあるというだけのこと。
僕たちはもっと自由に、自分らしく働ける。
その最初の一歩は、「どちらかを選ぶ」ことじゃなく、
「どちらも味方につける」ことかもしれない。
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