「育てるな、解放せよ」イノベーターが生まれる経営の秘密
「うちの社員、ぜんっぜん自分から動かないんだよね」
そんな相談を受けることがよくあります。
でも実は、これって社員のせいじゃないことが多いんです。
というのも、かつての僕自身がまさにそれでした。
「どうしてお前らは言われたことしかやらないんだ」って、イライラしてばかり。
でもある時、気づいたんです。
「いや、そもそも“自分で考える余白”を与えてなかったのは俺の方かも」って。
社員に“考えて動いてほしい”と思っているのに、
実際には「これやっといて」「次はこうやって」と、全部指示してる。
これじゃあ、イノベーターなんて育つわけないですよね。
イノベーターは“育てる”ものではない
よく「社員を育てたいんです」と聞きます。
でも、イノベーターって“育てる”ものじゃないんです。
“解放する”ものなんですよ。
言い換えれば「可能性を縛っている鎖を外す」のが経営者の役割だと思ってます。
指示され続けた人は、どんどん“思考停止”になっていく。
これはもう、人間の性質みたいなもの。
だからこそ、優秀な人ほど「考えられる環境」を求めるし、
逆に「どうせ何言っても通らない」と感じた人は、自分から動かなくなります。
「指示ゼロ」にすると会社は崩壊するのか?
よくある誤解がこれ。「全部任せたら会社がめちゃくちゃになるんじゃないか?」
はい、その気持ちわかります(笑)
実際、最初は“放任”と“解放”の違いを間違えました。
ただ任せるだけじゃダメなんです。
「ルールを決めない自由」は混乱を生むけど、
「枠組みを共有した上での自由」は創造を生む。
僕のやってるのは、“考える余白を残す仕組みづくり”。
たとえばこんなことを始めました:
- 目標設定はトップダウンじゃなく、社員と一緒に作る
- 業務改善提案は上司を通さず、チームで共有するルールに
- 「間違えてもOK」と言えるミーティング文化を作る
そうすると、思ってた以上に社員が「自分の頭で考えて動く」ようになったんです。
一人の覚悟が空気を変える
変化はいつも、たった一人の「やってみよう」から始まります。
でもその最初の一人を止めてしまうのが、無意識の管理グセだったりする。
「失敗したらどうするんだ」
「今までやってないやり方は不安だ」
…って、無意識にブレーキかけてませんか?
僕も以前はそうでした。でも、そのブレーキを外した時、
一人、また一人と、社員が“挑戦する顔”になっていったんです。
イノベーターが生まれる土壌は、社長が「信じること」から始まります。
信じて、任せて、応援する。
そのプロセスが、社員の背中をそっと押すんです。
まずは「小さな解放」から始めてみよう
いきなり全部任せる必要はありません。
むしろ、それは危険(笑)
でも、たとえばこんなことから始めてみるのはどうでしょう?
- 「これはどう思う?」と社員に聞いてみる
- 「自分の考えでやってみていいよ」と一言添える
- 結果だけでなく、プロセスを認める
こうした“解放の小さな一歩”を積み重ねるだけで、
会社の空気は変わっていきます。
社員は変わる。社長が変われば。
経営者としての最大の役割は、
「誰かを引っ張ること」ではなく、
「可能性にフタをしないこと」なんじゃないかと思います。
育てる前に、まずは信じて、解放してみる。
もしかしたら、あなたの会社の次のイノベーションは、
もうそこにいる社員の中から生まれるかもしれません。
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